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俺のことを優しいと言った日向。
なんだか、顔が熱くなった。
｢それと、二つ目｣
そんな俺をよそに、日向は話を続けた。
次は何を言われるんだろう。
日向はそれを言うことを躊躇っているのか、目を伏せて深呼吸をしていた。
そして決心したように、俺の目をまっすぐと見つめた。
｢御幸くんは、｣
次の日向の言葉に、表情に、俺は頭を殴られたような衝撃を受けた。
｢もう、私と話すのは嫌ですか？｣
そう言う日向の顔は、いつもの笑顔だった。
いや、正確には違っていた。
俺は、日向のことを勘違いしていたらしい。
日向はいつも笑顔で、何があってもその笑顔を崩さない。友達と話しているときはもちろん、理不尽なことを言われても、怪我をしても、ずっと、ずっと笑ってる。
普通ならそういう時は怒ったり、泣いたりするものだと俺は思う。
けど日向はいつ見ても笑顔で、俺はただ心の広いバカだと思っていた。きっと何しても許してしまう奴なんだと思っていた。
けど、違った。
日向だって人の子だ。怒ったり、悲しむことだってある。けど、それを表に出すのが下手くそなんだ。笑って誤魔化していただけなんだ。
だって、今の日向の笑顔は、とても歪な物で。それは笑顔なんかじゃなくて、今にも泣き出しそうな、不安そうな顔だった。
胸の奥が、痛くなった。
日向は、もう一度口を開いた。
｢答えてほしい。もし嫌なら、もう話しかけたりしない。だから……｣
その続きは、聞こえなかった。
日向は不安そうな目で俺を見つめていた。
俺の答えを待っているようだった。
俺の答えは、決まっている。
｢嫌だったら、今話してない」
初めて昼を一緒にしたときと同じような言葉。
けど、あの時とは全然違う言葉。
それを聞いた日向は、可笑しそうに、嬉しそうに笑った。
その顔を見て、なんか、安心した。
そうだ。俺も日向に言わないといけないことがある。
｢日向、その……｣
日向は俺の顔を見つめる。
避けて、ごめん。
そう言おうとしたとき、先生が戻ってきた。
｢遅くなってごめんね！今ならまだ授業間に合うかな？｣
｢先生、ほんと、今じゃない｣
一気に気が抜けた俺と日向は、顔を見合わせ笑いあった。
｢じゃあ、また教室で｣
そう言って俺は保健室をでた。
とても長く感じていた時間は、実際には10分ほどしか経っていなかった。
もう、あいつらの事なんか気にしない。
明日からは日向と話そう。そう思いながら俺は体育館へと足を急がせた。
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甘茶バニラ(プロフ) - キンキングさん» コメントありがとうございます！本当に受かって良かった……！良い新年を迎えられそうです！そして、好きだと言ってくださってとっても嬉しいです！頑張ります！！本家様の御幸君のイメージを悪くしないよう、興味を持ってもらえるようこれからも頑張ります！ (2016年12月25日 22時) (
レス) id: 58dda532bb (このIDを非表示/違反報告)
キンキング - 受かって良かったですね！おめでとうございます。この小説とても好きです。頑張ってください。御幸君可愛いくて格好いいです。 (2016年12月23日 13時) (レス) id: 5282c6bdb5 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶バニラ(プロフ) - スズみんさん» コメントありがとうございます！返すのが遅くなりすいません！そうですね。亮さんもなんだかんだで夢主ちゃんのこと大事に思ってますね。微笑ましい……()御幸くんの応援ありがとうございます！頑張ってくっつきますように！！更新頑張ります！ (2016年12月4日 11時) (レス) id: 58dda532bb (このIDを非表示/違反報告)
スズみん - 面白いです！亮さんも何だかんだ夢主ちゃんのこと好きなんだなって思いました。御幸くんがんばれ！次の更新も楽しみです！ (2016年10月20日 9時) (レス) id: 73a109ad5b (このIDを非表示/違反報告)
甘茶バニラ(プロフ) - 龍神さん» コメントありがとうございます！距離置いてても御幸は夢主ちゃん気になって目でおってるんですよ…全く素直になってほしいものです…() 更新頑張るのでよければ続きを楽しみにお待ちください！コメント本当にありがとうございました！ (2015年11月28日 18時) (レス) id: 49134330fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘茶バニラ | 作成日時：2015年4月30日 7時
