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夕方まで持ってきたジャンプを読み、風呂に入り、夕飯を食べ、そろそろ寝ようかと五条が時計を見ていた時。

縁側のある方から人の気配が漂ってきた。

十分気をつけていないと分からないほど静かな気配、そして殺気に、目覚めてしまうのは仕方ない事だ。

敵なら早めに潰そう、そんな単純思考で外に出る。

真っ暗な村。電気一つもつかない。

動く人影に目を向ける。目を凝らして見えたのは。


「……は、何やってんの、アイツ」


見えたのは、永広だった。イノシシを抱えている。

五条の呟きに気づいたのか、永広は近寄ってくる。


「夜中にどうした」

「いやいやいや、それコッチのセリフだわ」

「私はイノシシを捕まえた」

「それ、今日の?」

「うん」


一周まわって阿呆らしい。どうやらかなりの変人だ、俺が引くほどの。


「森の動物は腹を空かせると、死ぬ事も躊躇わずにこちらに向かってくる。だから、私はそれを森に返す」

「また来るんじゃね」

「うん、来ると思う。でも、婆さまが殺せと言わない限り、私は同じ事を繰り返すから」


永広の言葉を聞いた五条は頭を抱え、唸って、イノシシを眺め、それからまた頭を抱えを繰り返した。


「……あーやめやめ。ほんと無理」

「…何が?」

「ツッコミ」

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作成日時:2021年3月9日 0時

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