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意識した気持ち 浮かぶ疑念 〜合宿四日目〜 ページ10

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目が覚めて、見えたのは青空とそこに浮かぶ雲だった。




Aは体を起こし、自身が芝生の上にいることに気付く。




そして髪を整えながら周りを見回した。




体が軽く、これは夢だな、とAは思い至る。




立ち上がり軽く服を払って、Aは建物の方に向いた。




A「ずいぶん大きなお屋敷ね。それに広い庭」




Aは顔を横に向けて広がる緑に息を吐く。




Aのいるそこは誰かの住まいのようだった。




ーーーもしかしてここは、




すると一台の車が通り過ぎる音が聞こえる。




Aが振り返ると車はこの家の門の前に止まったところだった。




後部座席から一人の男が降りてくる。




家の中から執事が二人出てきて、両開きの門扉を開けた。




男に続いて女が降りてきて、車内の方に手を差し出す。




女に手を引かれ、降りてきたのは界だった。




「お帰りなさいませ、勝久様」




二人の執事が声を揃えてお辞儀する。




勝久が敷地内に入り、後の二人も並んで続いた。




ーーーやっぱり高景家。あれが勝久さんとその奥さんね。




玄関の扉を開けているメイドが頭を下げて「お帰りなさいませ」と言う。




界が家の中に入った時、Aの見る景色が変わった。




Aは中から家に入ってくる三人を見る形になる。




突然場面が変わったことにAは驚いたが、これは界の記憶なのだろうと結論づけた。




メイドは屋敷内にもう二人、それからもう一人スーツ姿の男がいた。




勝久と今日の予定を話している様子からどうやら秘書のようだ。




勝久は話を終えると振り返り界を見る。




界は先刻から父親の方に顔を向けていなかった。




勝久「界、今日はゆっくりしていなさい。明日からまた家庭教師が来るからな」




勝久は界の頭を撫でる。




勝久「お前は優秀だから、遅れなんてすぐ取り戻せる」




勝久は「じゃあまた夕食で」と秘書とともに廊下を進んでいった。




界はその後ろ姿を歯を食いしばって見送る。




すると母親が界の肩に手を置いた。




「部屋に行きましょう、界」




界「ううん、先に行ってて母さん。僕は大丈夫だから」




「無理しないでよ、貴方は今日退院したばかりなんだから」




界「大丈夫だって」




界はかぶりを振って階段に続く廊下とは違う方の廊下を進んで行った。




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Ren(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください! (2018年10月28日 23時) (レス) id: 572a8ca0c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - すごく続きが気になります!更新ゆっくりでいいんで頑張ってください!楽しみにしております (2018年7月21日 1時) (レス) id: d31ba2a391 (このIDを非表示/違反報告)
悠与(プロフ) - すごく読みやすくて素敵な作品でした!またお時間があるときに更新していただけると嬉しいです^^ (2018年7月19日 13時) (レス) id: 6d9bae1f6c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:moon | 作成日時:2018年4月29日 22時

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