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カナ「それにしても昨日雲井ちゃんが急に戻るって言ったのは、その幽霊のせいだったの?」
Aはカナの方に向いて手を振って否定した。
A「いえ、別にそういうわけじゃないですよ」
夏実「ねえ、Aちゃんってさ携帯持ってるの?」
Aが一人で戻ったと聞き、夏実が気になってAに尋ねる。
A「はい、一応。ガラケーですけど。あ、いやガラホ? ですね」
するとスプーンでカップの中身をかき混ぜながら沙織が自身の携帯を取り出した。
沙織「じゃあ連絡先交換しとこ。何かAってフラフラ勝手にどっか行きそーだし」
A「そ、そんなイメージですか。わかりました、部屋の鞄に入ってるんで取ってきますね」
Aは一人立ち上がる。
ついでに紅茶のおかわりをもらおうと飲み終わったカップを右手で持った時、
パリーン、とガラスの割れる音が響いた。
Aはすべての感覚が失われたように思えた。まるで一瞬闇に放り出されたような。
意識が戻ったAの足元にはガラスの破片が散らばっている。
ーーーこれ、私が落としたの? 今落としたのは私?
急に嫌な汗が出てきて、困惑しているAにカナの彼女を呼ぶ声は届かない。
驚いてみんな体が硬直する中、リクオがAの異変に気付いてすぐさま駆け寄った。
リクオ「Aちゃん!」
Aはリクオの声にも反応を示さず、ただ呆然と破片を見つめている。
リクオはAの右手を掴み、再び「Aちゃん」と呼んで彼女を自分の方に向かせた。
Aは揺れる瞳にリクオを映すと、いつの間にか止めていた息を吐き出す。
A「リクオさん……」
呟いたのは無意識のようだった。
リクオはAの瞳を見つめ返す。
昨日よりもずっと不安定な瞳だ、とリクオは思った。
リクオ「大丈夫? Aちゃん」
Aは顔を伏せてリクオの左手を強く握り返す。
しかしリクオが驚いた時には、もう手は離されていた。
A「すみません、大丈夫です」
リクオは無理矢理作ったようなAの笑みに顔を険しくした。
Aはリクオが何か言う前に彼から目をそらす。
そしてガラスを片付けにきたお手伝いさんと一緒に破片を拾い始めてしまった。
カナも手伝おうとかがんだがAがそれを止める。
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Ren(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください！ (2018年10月28日 23時) (
レス) id: 572a8ca0c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - すごく続きが気になります！更新ゆっくりでいいんで頑張ってください！楽しみにしております (2018年7月21日 1時) (レス) id: d31ba2a391 (このIDを非表示/違反報告)
悠与(プロフ) - すごく読みやすくて素敵な作品でした！またお時間があるときに更新していただけると嬉しいです^^ (2018年7月19日 13時) (レス) id: 6d9bae1f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moon | 作成日時：2018年4月29日 22時
