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リクオ「お願いがあるんだ」
清継「何だい?」
リクオ「僕、まだAちゃんに自分の正体を教えてない。だから僕が自分から彼女に話すまで、そのことを黙ってて欲しいんだ」
リクオの真っ直ぐな瞳を清継は見据えた。
清継「ああ、わかった。ただ、」
清継はそこで言葉を切ってリクオに向き直る。
清継「できることなら早く伝えてやって欲しいな。君は僕の友人だけど雲井くんももう僕たちの
カナが「リクオくんなら何者であっても私の友達だよ」と言った時と同じように輝くような笑顔を浮かべた清継。
リクオは目を見開いて照れ臭そうに嬉しそうに微笑んだ。
リクオ「うん、そうするよ。ありがとう、清継くん」
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氷麗「いい加減起きなさい!」
大声と大量の冷気にAは飛び起きた。
氷麗「やっと起きたわね。全く……、昨日はずいぶん早かったくせに」
A「つららさん……」
Aは呆れたように呟く氷麗がすぐ左横にいると分かって、顔をそちらに向けた。
他の女子はもう布団をたたみ終わっていて、Aは時計を見る。
八時を示していた。
Aは再び氷麗に向いたが、彼女は立ち上がって戻ってきた沙織と入れ替わるように洗面台へ向かっている。
スライド式のドアから歯磨きをしながら顔を出したカナがおはようの意を込めてAに手を振った。
Aは微笑んで手を振り返す。
着替えようと布団から出た時、頭痛と体にのしかかる重みにAは思わず歯を食いしばった。
ーーー昨日よりひどい……。
先に支度を終えた夏実が動きの止まったAに気付いて首をかしげる。
夏実「どうしたの、Aちゃん」
A「いいえ? 何も」
どうしてそんなことを聞くんだという気配を醸しながらAは何事もなかったように応えた。
夏実「そう? ああ、そういえば清継くんが分かったことがあるって騒いでたよ。これから発表するって」
A「そうなんですか!? じゃあ早く支度しないと」
Aは重みを気のせいだと無理矢理思い込んで行動を始めるのだった。
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Ren(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください! (2018年10月28日 23時) (レス) id: 572a8ca0c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちさ(プロフ) - すごく続きが気になります!更新ゆっくりでいいんで頑張ってください!楽しみにしております (2018年7月21日 1時) (レス) id: d31ba2a391 (このIDを非表示/違反報告)
悠与(プロフ) - すごく読みやすくて素敵な作品でした!またお時間があるときに更新していただけると嬉しいです^^ (2018年7月19日 13時) (レス) id: 6d9bae1f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moon | 作成日時:2018年4月29日 22時