リクpart1 保健の先生 ページ2
*保健の先生*
「一松せーんせい」
「…あ、来たサボり娘」
「いい加減名前で呼んでくださいよ!…まあ、サボりは認めますけど」
ここは私の通う高校。私は高校三年生。…もうすぐ卒業して、大学生になるのを待っているような状態。
そこの保健室は、生徒から「おサボりの部屋」と言われる、サボり生徒のためにあるような場所だ。
私もその内の一人。…でも、他の人とはちょっとだけ違うんです。
「そー言えば、英語のカラ松先生、また発音良すぎて聞こえなかったな…あの先生、ネクタイのデザインもアレだし」
「クソ松の授業は半分カッコつけだからな。テキトーに聞き流しとけ」
私がここに来ると、大抵愚痴を聞いてもらう。先生と年があまり変わらないため、話しやすいのはすごくいい。見た目暗そうだけど話すと楽しいから、地味に男子に人気だ。
「あー、先生またエスニャンのストラップ買ってるー」
ベッドに腰掛けながら、先生の私物の鞄を指差す私。先生は「気づくなよ」と言う目で見ていたが、別にいいと思う。ギャップだし。そんなところ可愛いし。
「先生、またクマできてるよ。夜まで何してんの?」
「…内緒」
口に指を当て、ニーッと笑う一松先生。最近保健の先生のくせに顔色が悪いというのは薄々気づいていたが、はぐらかされると知りたくなるのが人間だ。
「いーじゃん、教えて教えてよー」
「…やだ」
「エスニャングミ!」
「無くなるからダメ」
「エスニャンカード!」
「とっくにコンプしてる」
「エスニャンバッジ!」
「…5個だからね」
粘り強く交渉し、なんとか教えてもらえることになった。…さあ、なんだ!
期待に満ちた目で先生を見ていると、不意に視界が暗くなった。先生が手で塞いでいるのだ。
「ちょっ、外して…」
その瞬間、唇が重なった。
年が近くて子供っぽいのに、…こういう時に「大人」だなと感じてしまう。
届かない年の差が、もどかしい。
しばらくして唇が離されると、一松が呟いた。
「…高校卒業したら、一緒に住みたいなって思ってたから…物件探してた。猫も住めるやつ」
相手も、届かない年の差を感じてくれているようだ。
…でも、たとえ届かなくても。
「…A、すき」
「私もせん…一松のこと、すき」
今、こうして言い合えるのが、しあわせなんだ。
待ってて、もう少しで届くから。
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リク一作目です!
年の差恋愛+砂糖でこうなりました。
楽しんで頂けたら幸いです!
6人がお気に入り
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ピーチリーフ(プロフ) - ゆき*ろあ/まここさん» コメントありがとうございます!此方もニヤけながら書いているので周りから「?」みたいな目で見られています…(笑) (2017年6月22日 6時) (レス) id: d77347077b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき*ろあ/まここ(プロフ) - あぁ…微笑ましi((すみません画面の前で一人ニヤけてたのは私です!!← すごいです。(語彙力)ほんと尊敬します(〃´・∀・`〃) (2017年6月22日 0時) (レス) id: e82e52a0eb (このIDを非表示/違反報告)
ピーチリーフ(プロフ) - ドS娘さん» コメントありがとうございます!見て頂いている皆様の方が神様ですよ(,,>ω<,,) (2017年6月18日 10時) (レス) id: d77347077b (このIDを非表示/違反報告)
ドS娘 - 流石ピーチリーフ様マジ神_| ̄|○ハハァー (2017年6月17日 21時) (レス) id: 8d85534e35 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチリーフ(プロフ) - 望月さん» 閲覧ありがとうございます!コメント見ると心が(*´ω`*)となります(笑) (2017年5月9日 22時) (レス) id: d77347077b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピーチリーフ | 作成日時:2016年12月18日 16時