五男と彼女のきっかけ2 ページ26
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「ねえAちゃん、Aちゃんは好きって楽しい?」
「どうした十四松、突然の哲学かな?」
学校帰り、公園のベンチで僕とAちゃんはおしゃべりをしていた。
この前の兄さんのあの言葉が、あの顔の意味が分からなかったから。
「僕のね、友達が“すき”について話す時悲しい顔をしてたんだ。
でも僕は“すき”は楽しい物だと思うから、それが分かんない」
何故だか分からないけど、兄さんの事だって言うのをAちゃんに言うのは駄目な気がして、友達、と嘘をついた。ごめんねAちゃん。
「……んー……これはまた難しい話だな……」
「だよね!僕も全然わかんない!!」
「そうだよねえ、だから私に聞いたんだもんね……
ねえ十四松、十四松の楽しい“好き”ってそれは何に対する“好き”なの?」
「僕はねー、Aちゃんだよ!!」
僕がそう言えば、Aちゃんは面食らった様な顔をした。
そしてへにゃりと笑うと、十四松ー!!と僕に抱きついてきた。わ、あったかい。
「おうおう十四松お前は可愛いなあ!私も十四松のこと大好きだぞー!!」
「マジっすか!やったー!!」
僕も抱き着き返せばAちゃんはぐお、とよくわかんないことを言う。
え??痛い?あ、力が強いのか!!
慌ててばっ、と手を離す。んんん難しいなあ。
思えばキャッチボールをする時も僕のボールのスピードが速すぎてAちゃんはとれなかったし、
ゲームは僕がルールわかんなくて全然進まなかったし…………あれ?
もしかして僕ってAちゃんに嫌われるようなことばっかりしてる??
でもAちゃんは僕のこと好きだって言ってくれて、あれ?
「……何でAちゃんは僕のこと好きなの??」
「さっきまでやったーとか言ってたのにお前急にどうした」
うーん、何でって言われてもなあ。とAちゃんは頭を傾げる。
やっぱり好きになる理由がないのかなあ。だったら悲しいなあ。
「んー……私も十四松と同じで、一緒にいて楽しいから好き、じゃ駄目かな。
私の“好き”も楽しい好きだよ」
にっこり笑うAちゃん。
ああ、僕の思い違いだったみたい。
僕の好きとAちゃんの好きはやっぱり一緒なんだ。
すっげー嬉しい。心がぽかぽかする。
でも、それと一緒に益々わかんなくなってしまった。
“好き”なのにあんなに悲しい顔をした兄さんの気持ちが。
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ももち@ - サクラさん» 有難う御座います…!進学してから中々更新できる機会がなかったのですが漸く更新出来ました…!これからまた更新させて頂こうと思います、よろしくお願いします! (2018年5月5日 19時) (レス) id: 2acfca4f19 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってますので戻って来てください! (2018年4月24日 23時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
ももち@ - レミリアさん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません;;たった今更新させて頂きました!お褒めの言葉も有難う御座います、これからも更新頑張らせて頂きますね! (2018年2月1日 23時) (レス) id: dc32f552dc (このIDを非表示/違反報告)
ももち@ - ダメ天使さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません;;そう言ってもらえて嬉しいです!たった今更新させて頂きました!これからもダメ天使さんはじめ読者の皆様に喜んで頂けるよう頑張りますね! (2018年2月1日 23時) (レス) id: dc32f552dc (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - このお話とても面白いですね!更新待ってます! (2018年1月18日 22時) (レス) id: 8e9961abf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももち | 作者ホームページ:ありません(´・ω・`)ショボーン
作成日時:2016年3月28日 14時