◇６◆ ページ18
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結局、男は１度俺を抱いたきり来なくなった。
母親とはそういう約束だったのか、定かではない。
その後も母親は何事もなかったかのようにまた男を色々連れて来た。
――あぁ、ほんと何で生きてるんだ？俺。
その思いが強かったが、
誰かも知らない男と,こんな母親のせいで人生終わらせたくはなくて。
高校進学と共に、１人暮らしを始めた。
母親も俺が出ていくことには反対もせず承諾書にサインしてくれた。
どうせ、お荷物の息子がいなくなって喜んでるんだと思う。
中学で友達が離れていく中、
何故か最後まで付きまとってきたやたら明るい相葉。
相葉にだけは新しい住所を渋々伝えた。しつこいし。
高校進学し、バイトを掛け持ちし始めた。
働いてる間は何も考えなくてよかったから楽だった。
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――潤君と出会ったのはその頃だった。
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和「・・？」
電車の中で隣に立っている大学生がすごい凭れかかってくる。
俺は「寝てんのかな？」って思ってチラッと相手の顔を見る。
するとすごい冷や汗かいて口元に手を当てて今にも倒れそうにしてて。
和「・・降りましょう」
そう小声で言って有無を言わさず肩を支えて次の駅で降りた。
幸い、降りる人が少ない駅でベンチもガラガラ。
和「とりあえず座ってください。これ、よければどうぞ？」
「・・りが、と・・」
タオルと水を渡すが飲む余裕もなく座りながらも上半身はフラフラしている。
仕方なく、横に座って肩に頭を乗せさせる。
和「落ち着いたら駅の医務室行きましょう」
「ごめ、ん・・貧血で・・」
あぁ、貧血か。じゃあ少し経てば良くなるだろう。
そう思ったのに・・大学生はそのまま肩に頭を乗せて寝てしまった。
しかも何故かズルズルと下がってきて膝を枕にしだした。
和「えぇー・・？」
普通寝る？知らないやつの膝で・・。
起こそうかなと思い、寝顔を見て思わず手が止まる。
綺麗な顔・・まつ毛長いなぁ・・。ついつい眺めてしまう。
そんな時、「どうしました？」って駅員さんが声掛けてくれて。
「体調悪いみたいで」と伝えると急いで車椅子と他の駅員さんが来てくれて。
大学生はぼーっとしながら座らされ運ばれていった。
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――多分、無意識に惹かれたんだと思う。この時に。
何も希望がなかった俺の人生に、少し光がさした瞬間だった。
当時の俺は、何も気づいてなかったけどね。
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しょうちゃん(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: d034f78533 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - おもしろかったです！たまに涙が出てくるようなシーンがあって話に夢中でした｡ありがとうございます♪ (2018年5月3日 12時) (レス) id: 11356a9e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月18日 1時
