◇５◆ ページ17
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和「潤くん、おはよ。包帯変えよう？」
潤「んー・・」
まだ眠そうな潤君。
きっと熟睡出来てないんだろう。珍しく夜中も起きてたし。
『ごめんね』と意味を込めて丁寧に手当てする。
幸い、そこまで傷は深くない。跡にはならなそうで心底ほっとする。
――跡になると、その傷を見る度思い出してしまうからね。
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いつもより少なめだけど、朝食も食べてくれてほっとする。
仕事はいつも通り行くらしいから、玄関まで送る。
和「行ってらっしゃい、潤君」
いつもは行ってらっしゃいのキスをするが、今日はどうしよう。
そう思ったのも束の間、愛しの潤君の頬が膨らむ。
潤「・・ダメ、行けないもん」
和「・・ふふ、そっか」
あまりの可愛さと安堵に、つい笑ってしまう。
――正直、拒否されるのが怖かった気持ちもあったから。
和「行ってらっしゃい」
潤「んっ♪」
１度軽くキスをして送り出す。
和「はぁー・・・」
思わず、深いため息。俺はいつも通り振舞えてたかな？
気を抜くと足元がふらつく・・。
あぁ、何でこんなに過去に縛られなきゃいけないんだよ・・。
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――俺の両親は仲が良かった。
母親はいつも優しくてニコニコしていた。
ただ、俺が中学２年生の時に両親はどんどん仲が悪くなっていった。
原因はよく分からない。ただ、徐々に喧嘩が増えて父親が帰らなくなり――。
ついに、荷物をまとめて出て行った。
母親はお酒の量が多くなり笑顔が減り、夜の仕事を始めた。
「あいつに裏切られた」と、何度も言う。
「和？学校どうだった？」と優しくきいてくれた母親の影はどこにもなく。
――「あんたのせいで自由になれない、産まなきゃよかった」
そう言われることが多くなった。
俺の心も、どんどん暗くなっていった。
学校でも笑えなくなり、人を信じられなくなっていた。
「何で生きてるのか」――毎日、考えるようになった。
母親は段々と、男をとっかえひっかえ連れてくるようになった。
俺は部屋の隅で体育座りして、男がくれる冷めた弁当を大人しく食べていた。
そのうち、同じ男が来るようになって。
その男が来るようになり数カ月経った頃の夜――。
「和也くん」と、初めて名前を呼ばれた。
体育座りのまま顔をあげる。
目の前にはニヤニヤした男。奥には冷めた顔の母親。
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・
――その男の狙いは俺で、そのまま押し倒され襲われた。
あの感覚は、今でも鮮明に思い出す・・。
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しょうちゃん(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: d034f78533 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - おもしろかったです！たまに涙が出てくるようなシーンがあって話に夢中でした｡ありがとうございます♪ (2018年5月3日 12時) (レス) id: 11356a9e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月18日 1時
