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12話 ページ14

「藍澤 Aさん。君は周りの人間とは違い、特別だからだ」


「特別?」


藍澤は不思議そうに聞き返す。


『私が特別ってどういうこと…………』









自分が特別など考えた事もない。赤司は言葉を続ける。


「君のその判断力だ」


「判断力…」


「君はいつもどうやって自分の出来事に判断を下している?」


「………それが意味があるかないかで決めますけど…………」


赤司は「それだ」と言い、あるものを鞄の中から取り出した。それは将棋板だった。


「今から緑間と将棋で勝負してもらう」


「はっ!?どういうことなのだよ!赤司!!」


突然の宣言に驚く緑間。それは藍澤もだ。

将棋をやったことのない藍澤とおそらく経験がある緑間、この勝負は不利すぎる。

すると赤司が藍澤に何かを渡した。将棋のやり方の本だった。



「これを見てから緑間と対戦してもらおう。ルールは知らないだろう?

さすがに素人に経験のある緑間が相手では不利だ」


『まるで私がド素人って考えているような感じですね』


その物言いにカチンときた藍澤は赤司にこう言う。


「私がこの人と対戦するメリットはないですよ?それに、私、バスケに興味は……」


「ないだろうね。だって君はバスケの才能がない…あぁバスケもか」


被せるように言った赤司。それにも少しムカッときたがその言葉に藍澤は怒りを覚える。


「へぇ……じゃあ私が将棋に勝ったらどうするんですか?」


「勝敗より、君の才能を見たい。もし負けたらたったそれだけの女だったと言う事だけだ。

マネージャーの件はないことにさせてもらう」


『あぁ…なんなんですかこの人……………凄く腹立つ』




ハァと自分を落ち着かせるように深呼吸をし、怒りを含んだ瞳で赤司に向かう。






「その勝負、お受けします」




ゾッとするほど冷たい声。

本を赤司から受け取り、軽くその場で目を通すと緑間の向かいの席に座った。


「え?もういいの?」


桃色の髪の少女がもう用済みになった本を見つめ、小声で驚く。

藍澤が本を手にとっていた時間はほんの数分だった。



「先攻はどちらにする?」


「私はどちらでも構いません」


「そうか、じゃあ藍澤さんが先攻だね。初心者だからね」


『初心者だの素人だの言ってくれますね』


スカートの上に置いた手が怒りで震える。

そんな藍澤を気にも止めず、赤司の声が響いた。






「では………始めっ」

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ありんこ(プロフ) - めっちゃおもしろいです!!緑間と仲いいですね!!笑笑更新頑張ってください! (2015年5月31日 17時) (レス) id: 4d2c2a19e6 (このIDを非表示/違反報告)
ミドリン - 藍澤ちゃんのちょっとひねくれた性格が良い!!スッゴく楽しみにしてます!!これからも頑張ってください! (2015年5月30日 20時) (レス) id: 8c21d6e656 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 直しました。ありがとうございました! (2015年5月24日 15時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)
橙乃かりん(プロフ) - もこすけさん» 才色兼備は美しさという意味も含んでいるので容姿端麗では重複してしまうかと・・・・上からみたいですみません。 (2015年5月24日 13時) (レス) id: c45918c086 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 眉目秀麗を容姿端麗に直しました!ご指摘ありがとうございます! (2015年5月22日 19時) (レス) id: 0a25db78c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2015年4月6日 20時

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