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幼児化の二人と大波乱 [琥治*こはる*様リクエスト] ページ26

「太宰さんこれ締め切り今日の三時なのですが」






「あーそれねぇぇ」






「白紙ってどういうことですか、ふざけてないでやってください」






「えぇ〜それ面倒なのだよぉ、Aちゃんやって」






「巫山戯るな給料泥棒」






今日も今日とて探偵社では太宰とAによる攻防戦が繰り広げられている。
大抵太宰の尻を叩いて仕事をさせるのは彼女か国木田の二人だ。
ちなみに両者ともストレスでかなり言動がきつくなる。







「早くやってください、大人でしょう」







「大人は永遠の子どもの心を持つのさ」







「まだ云うか」







いい加減Aが太宰を投げ飛ばしそうで、敦はそっと距離をとる。
すると、いきなり二人の方から爆発音が聞こえて椅子ごとひっくり返った。






「な…えぇ!?」






「何事だ!!」






太宰とAが居たところは煙に包まれ、社員たちはぽかんとする。
ちなみに乱歩はいつも通りお菓子を食べていた。
暫くして、煙が晴れていくと…その中心には子供がいた。






「…ん?」







一人は焦げ茶色の髪をした、体の至る所が包帯で隠れている少年。
一人は長い黒髪に紫色の瞳が特徴的な和装の少女。
二人ともキョトンとした顔でこちらを見上げている。






「…国木田さん」







「…また厄介な事に…」







「おやおや幼児化かい?面白いねぇ」







二人の顔立ちは何処から見ても太宰とAの面影があり、幼児化以外に考えられなかった。
また面倒な異能、しかも太宰が異能者本人に触れないといけないやつにかかった。







「ど、どうします、これ…」







賢そうな二人の子供に敦はたじろぐ。
すると、太宰はAの顔をじっと見つめ、Aは頭の上にハテナを浮かべる。







「…君、何処かで会った?」






大人の時の記憶が僅かに残っているのか、太宰はそう云った。
Aは更に訳が判らないようで、怪訝な顔で首を傾げた。






「僕は君のことを知ってる…でもなんで?知らないはずなのに…なんで?」






紫色の瞳を見つめ、そう云って太宰は更にAに詰め寄った。
だがAは知らないらしく、逃げるように敦の後ろに隠れた。






「ゆ、ゆっくり話さない?」







敦の提案に二人はキョトンとし、
太宰は敦の後ろに隠れ、少しだけ見えるAの手を見つめ、
Aは困ったような可愛らしい表情で敦を見上げた。
少し不安を感じたのは気のせいではないだろう。

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もこすけ(プロフ) - nino=sakuさん» コメントありがとうございます。怪談、いかがでしたか。実際に遭遇したくはないですね…。 (2019年3月26日 18時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
nino=saku(プロフ) - 主人公の怪談夜中に読んでたので普通に怖かったですw (2019年3月26日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます。わざわざ有難いお言葉感謝します。もう少し続きますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 23時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
- リクエスト受けてくださって本当にありがとうございます!作品とても楽しみです! (2018年12月7日 14時) (レス) id: 9fddac5d14 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - みぃちゃん,mさん» コメントありがとうございます。小泉のボーカル、見たいてますね。これから登場しますので、お楽しみに。 (2018年12月7日 10時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もこすけ | 作成日時:2018年10月28日 18時

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