続51話 ページ2
黒子のパスは的確に黄瀬の手におさまった。
相変わらず正確なパスだなと感心していると、
あっという間にナッシュが黄瀬の前に立ち塞がる。
「戻り早いわね…視野も広いってわけか」
紺野が化け物でも見るような目をする。
「でもまあ、シルバーにダメージを与えられたんだからいいわね」
「プライドが高くて負けを知らない馬鹿は
扱いやすくて助かります」
「…お前も昔はプライドが高くて負け知らずの馬鹿だったがな」
「あとは黄瀬さんが」
「無視かこの野郎」
雫の暴言をさらりと無視し、ボールを目で追う。
黄瀬の隣に青峰、相手はナッシュと七番の選手。
二対二にもつれ込むと観客は思うだろうが、違う。
黄瀬はナッシュと向き合うが、ボールを隣へ投げた。
相手は青峰ではない。
青と対となる色、赤がボールを受け取る。
「ナイスパスだぜ！！」
火神が持ち前の高さを生かして飛び上がる。
まるで鳥のように見える。
『うおおおお、らあ！！」
凄まじいダンクが決まり、会場のボルテージが一気に上がる。
隣にいた橙山がベンチから火神に向けて声援を送る。
「ガミ君カッコいいよ！！」
「ファッ！？」
橙山の声援に火神の顔が髪の色に負けないくらい赤く染まる。
火神の反応を見て藍澤は確信した。
「あれは日奈に惚れてますね…」
確かにあんな可愛い声と笑顔で応援されて喜ばない男などいないが、
声援を受けてあからさまに赤くなり、やる気が目に見えて上がるのも考えものだ。
日奈は可愛い、だからこその反応なのか。
藍澤が瞑想していると桃井が「大丈夫？」と肩を叩く。
ハッとしてようやく現実に戻る。
いつの間にか試合が再スタートしようとしていた。
「すみません天使の事を考えたら目眩がして」
「天使？」
『どうせ日奈の事なんだろうな、あのシスコンは』
きょとんとする桃井とは反対に雫が呆れたように息を吐いた。
「…シルバー機嫌悪そうですね」
今やっと気づいた藍澤はシルバーの雰囲気に僅かに口角を上げた。
「頭に血がのぼった馬鹿って本当に扱いやすい…
まるで赤子みたい…ふふふ」
妹に見えぬように藍澤は壮絶な笑みを浮かべた。
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もこすけ(プロフ) - ミオさん» コメントありがとうございます。ひっそりと書いていました。嬉しいお言葉をありがとうございます。これからも頑張ります。 (2020年5月11日 19時) (
レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 黒バスも書かれていたんですね……とても面白かったです。どの作品もしっかり考えて作られていて、すごいと思います。これからも頑張ってください！ (2020年5月7日 19時) (レス) id: 244e2b34cf (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - 今井 明希さん» 読んでくださりありがとうございます。少しずつ頑張らせていただきます。応援、ありがとうございました。 (2020年5月1日 12時) (レス) id: 102f3088ed (このIDを非表示/違反報告)
今井 明希(プロフ) - 昨日と今日でいっき読みしちゃいました、、、続編おめでとうございます！続き頑張ってください！待ってます！！ (2020年4月30日 0時) (レス) id: d714c1a6ae (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - ややるるさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2017年3月9日 16時
