Episode11 ページ13
人気のない暗い部屋に、風見刑事はいた。誰かと話しているようだ。
「やはり、降谷さんが“言った通り”になりました」
降谷零が予測していたのか、言われた通りだと話した。
「もっと早く分かっていれば、我々公安の仲間が死ぬことは……」
「あぁ、まさかサミット前に爆破されるとはな……」
降谷零は公衆電話から掛けていた。回りに建物がなく、工場地帯のようだった。
『現在、我々は公安のリストにある国内の過激派や国際テロリストを調べてますが…降谷さんの方は?』
「現場のガス栓にアクセスした通信を調べている。少し変わったシステムが使われているようだ」
『…なんですか?』
「…捜査が進み次第、“うち”から公安に伝える」
“分かりました”と風見刑事は返答する。あることが気になって、「例の件はどうなってる?」と聞く。
『はい。“2291”を導入する手筈になっています』
そう聞いた後、降谷零は黙ってしまった。空が明るくなりつつあるのを前に。
『降谷さん…?』
その一声で我に帰った降谷零。ハッとして、話を続ける。
「…分かった」
電話を切り、公衆電話のBOXから出る。夜が明けていて太陽が見えた。
「__________...」
スマホを出して、“ある連絡先”を表示させる。動かしていた足が止まり、思い悩んだ結果…電話を入れる。
「Aか……
『唐突……過ぎる。後……』
“後”の続きが気になって、降谷零は聞き返す。「何だ…?」
『いえ…!何でもありません!』
「__________...」
電話を切らずに、降谷零は空を見る。太陽が降谷零を照らしている。
『…どうかしたんですか?』
「いや、いつも通りのAで何よりだ」
『また、唐突過ぎる…!』
電話越しからの声で、大体の表情が予想できる。フッと微笑んだ後、風見と話していた時の表情へ戻った。
「既に
『はい……!私は大丈夫です!』
その返事が聞けて、降谷零は嬉しく微かな笑みを浮かべた。
「___________...」
毛利小五郎が逮捕された翌日。
毛利小五郎が持つパソコンから、さらなる証拠が見つかった_______
「それは、つまり、毛利小五郎のパソコンから現場のガス栓にアクセスした形跡が出たってことか」
「はい、サイバー罪対策課からそう報告がありました」
さらなる証拠とは、そのことだった。すると、風見刑事は立ち上がる。
「…決まりましたね。毛利小五郎はここに忍び込み、この扉を開け、“高圧ケーブル”に油が漏れる細工をしたんです」
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作者名:零月 | 作成日時:2018年4月16日 19時