異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

09.心の中の僕 ページ12

NO SIDE.


しばらくして、Aはいつも通りになって伸びをした。


『いやぁ疲れたあ〜！！』

太宰。「……で、“相談”の結果は？」


その問いにAは笑って頷く。


『しょーがないからいいって！全く、「手がかかる」とか僕子どもじゃないんだし…、』


その言葉に驚いたのは敦と国木田。


敦「え？そんな会話してた！？てかそもそも喋ってた？！」

国木田「電話なんてしてなかったんじゃないのか！？」


Aはそれに、それが至極当然である(・・・・・・・・・・)かのように答える。


『電話？してないよ！！そんなの必要ないもん』

国木田「なら誰と……！」

『………心の中の僕と、ね』

敦「…自分？」

『そゆこと。意識だよ意識』

国木田「要するに自分会議………？」

『そうとも言えるけど僕は例外とも言う』

敦「謎掛け……？？？」

太宰「………」


Aは謎をまた生み出したが、一行は当の本人の促しによって店を出ることになった。

その間際に太宰は、国木田に何かを書いた紙を渡す。

それをAはじっと見ていた。








必ず虎が出る、と言うことで着いたのは人目に全くつかないような倉庫。


敦「こんなところに本当に虎は来るんですか……？」

太宰「来るよ、必ずね」

敦「それもそれで嫌ですけど……もし襲われたらどうすれば？！」

『太宰サンがどーにかするよ★』

太宰「人任せ！！」


そして倉庫内はかなり暗いというのに《完全自 殺読本》などという本を読みだす太宰。

それを見てAはかなり引いている。


『ジサツじゃなくてお裁縫にでも精神傾けるべきじゃないですか？』

太宰「私はなんで裁縫のチョイスなのかが知りたいんだけど」

『気分！！』

太宰「気分屋すぎないかい？？」


一方、倉庫の床に体育座りをする敦は完全に不安に苛まれていた。

そんな敦を見かねて太宰が声をかけるも、自己肯定感は下がるばかり。

とうとう不安が爆発した。


敦「……はは、凄いですね……自信のある人は。僕なんか孤児院でもずっと“駄目な奴”だなんて言われてて、その上今日の寝床も明日の食い扶持も知れないのに」


しかしそんな言葉に被せるように声がかかった。


『それで？』

敦「…………え？」



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