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お題5:俺以外見ないで E ページ28

『じゃあ、この本とかも…?』

「そうそう、結構読みやすくて何回も読んじゃって」

楽しそうに俺意外と話しているA。
その光景を見ると最近はチクチクと胸が痛みだして不愉快だった。
なるべく見たくないからと視界に入らないようにそっとその場から去った。

それでも遠くで彼女と仲間の笑い声が微かに聞こえる。
ギリ…と奥歯を食いしばった。


しばらくして静かになって俺はもう一度書籍室を覗く。
ぽつん、とA1人だけ静かに本を読んでいた。

なにを思ったのか、俺は無意識に後ろに回って抱きしめてみた。

『…っ!?びっくりした…』

「なに読んでるの?」

やっぱAを抱きしめると温かい気持ちになってきて、ゆっくりと体重をかけてみた。

『ヒロインが恋している彼の気持ちがわからないんだけど、次第に結ばれるようなお話』

「ふーん…」

やっぱり女の子だからこういう恋愛のお話が好きなのか。

『まるで栄斗みたいなんだよね、主人公が恋している相手の性格が』

「…俺に?」

『うん、ミステリアスなんだけど気になっちゃうというか…』

ぽっ、とAは急に顔を赤くして下を向いてしまう。
俺がミステリアスってどういうことだ…?

「…Aはそういうやつが好きなの?」

『え…?え、っと…うーん』

「普段俺がなに考えているのかわからないってこと?」

ピクッと肩が跳ねる。
なんでわかったのって心の中でAが言っていて丸聞こえだ。

俺は椅子ごと引っ張り出して、向かい合わせになるように立った。
目をぱちぱちとしながら俺を見ているA。
少し身体を屈んで両手でAの頬を添えてまっすぐ目を見つめた。


「出来ることなら俺以外見ないで欲しい」

『栄斗…?』

「Aが他の男と楽しそうに笑っているの見てるだけで胸がチクチクする」

『…そ、それはヤキモチ?』

「……」

図星だ。
だけど素直になると悔しくて俺はごまかすようにその唇を塞いだ。
ふんわりと甘いものが広がって舌を使って支配した。
Aのちょっと色づいた声が聞こえて来てどくん、と胸が高鳴った。

『はぁ…な、なんでいきなり…』

「ドキドキした?」

『そ、そりゃ急にそんなことしてきたら…』

「じゃあ今度からそれもしてみる」

『な、なんでですか…!』

「…あと今吸いたいから頂戴?」

『こ、ここじゃ誰か来ちゃいます…』

「じゃあ、俺の部屋行こ?」

また顔を赤くしたAは小さく頷いて、俺の手を取った。
お楽しみはこれからだよ…?

お題6:約束したはずだけど※微→←お題4:だってきみは俺のもの A



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作者名:もちぷよ | 作成日時:2023年1月1日 22時

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