お題4:だってきみは俺のもの A ページ27
『っ!?』
寝る前に突然、彼に押し倒されて状況が追いついていない。
彼の表情は下げずんだような目をしてじっと見つめられている。
「お前今日誰に噛まれた」
『えっと…誰とか言わないと、だめ?』
「はぁ…じゃあ、何人に飲まれた」
『さ、3人…』
チッ、と小さな舌打ちして眉間に皺を寄せる。
普段から全員に飲まれることは4人とも暗黙の了解みたいな感じだったはずなのに、今日の彼はやけに様子がおかしい。
掴まれていた手首がぐっと更に力がこもってきている気がした。
「あいつらに飲まれてそんなに嬉しいか…?」
『う、嬉しいもなにも…みんな私のこと食料としか思ってないでしょ…!?』
「当たり前だろ、なんで俺の分までちゃんと残さないんだお前は」
『の、残すもなにもみんな勝手に…痛っ』
がぶっと腕を深く噛まれる。
かなり痛くてビクッと身体が跳ねると、香助は噛んだところを見せつけるように丁寧に舐め取っていく。
目を細めて睨みつけながらもその姿は淑やかで様になっていた。
『な、なんで今日はそんなに怒っているんです、か…』
「俺の知らないところで3人に血をあげてたなんてね…」
『報告する約束なんてしてないじゃないですか…!』
「うるせぇな、黙って俺に吸われてろ」
首元にも噛みついて私の血を堪能する彼。
言葉は乱暴なのに、血をを吸う彼の手付きは少し荒いが丁寧だった。
見た目とは裏腹に大食いな彼…吸う血の量は他の3人と比べても多い方。
吸われたり舐められ続けられて、卑しい気持ちになってきてぎゅっと目を瞑る。
「はぁ…っ、この時間だけは誰にも渡さないからな…」
『な、なんで勝手に決めるんですか…っ』
「だってお前は俺のものだからな…。気安く飲まれてたまるか…」
普段よりも少し低めの声に思わず、ドキッとした。
やっぱり私は彼の言葉責めに弱いんだろうか…。
なにを言われても嫌な気分じゃないし、意識し始めてしまう。
「…ふん、そんなに俺に罵倒されたいとかとんでもねえやつだな」
『こ、心の中読まないでください!』
「恥ずかしいのか?ん…?どうしてほしいんだ」
ニヤッと不敵な笑みを浮かべておちょくってくる香助。
このまま抵抗もしたいが、なにしても香助の思い通りになって彼の手のひらの上で転がされてしまう。
悔しくて唇を噛み締めて私なりに睨みつけてみると、彼はまたフッと小さく笑った。
「ほん、とお前はわかってて誘ってんのか…」
細長い指で顎を救って、そっと唇を合わせられた。
お題5:俺以外見ないで E→←お題3:秘密なんてだめだよ F
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作者名:もちぷよ | 作成日時:2023年1月1日 22時