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9滴目 ページ12

かちゃかちゃと静かに食器の音だけがする。とても静かな食事。
ちらっと栄斗を見ると口元だけ晒してピザを食べている。思ってたより小顔っぽそう。
吹雪と香助は結構大食いなんだろうか。それとも他の2人が少食なんだろうか。

今夜はピザと大量のサラダ。人間と食べるものとほぼ変わらない。
こんな豪華な格好しているわりにはみんな手づかみとかで食べていて意外だった。
食事のマナーとかちゃんとやるのかと思ってたけど全然そんなことはなくて少しホッとしている。


F「…Aちゃん食べないの?」

『ぁ、い、いただきます…』

F「うんうん、どんどん食べていいからね」

あ「お前が食い過ぎなんだよ。ダイエットはどうした」

F「今日はチートデイですう」

き「あろまそれ取ってー」

え「……」


男4人に囲まれて食べる食事は初めてだし緊張しすぎて味なんかわからなかった。
全然食べた気がしないがせっかく用意してくれたのに食べた気がしないっていったら、なにされるかわからないためにただただ無言でピザを食べていた。
時々4人がちらちらとこっちを見ていて終始びくっとしてしまっていた。

…あとでなにか買いに行こうかな。
あれ、そういえば貴重品取られたんだっけ。どうしよう。


-----


食事の後はお風呂の用意するまで自由にしていいと言われて、私は取られた貴重品などを探しに部屋を探索することにした。
2階は私の部屋の他に恐らく4人の部屋だろうか。4色の扉がある。一番奥の部屋は私の部屋だ。
1階に降りる階段からかなり離れている。階段まで歩くのに4人のいる部屋の前を通らないといけない。
足音だけでもバレないようにとしずかに1階まで降りていった。

エントランスホールまで行くと奥にはかなり暗い廊下。
壁かけている蝋燭すら灯してない。
…このまま脱走もできるが外は暗いし今の私だと抜けれ出す気がしないのでやめた。
そこの廊下だけ明かりを灯してないので怪しいと思った私はその先に歩み勧めた。

かなり長い廊下の奥には古く固く閉ざされた部屋が一つだけあった。
どう考えてもここに私の貴重品とかあるわけないとは思ったが…。
なぜかこの部屋に興味を惹かれる。
私はそっとその扉に手を置いてみた。


『…っ、わっ!?』

するとすんなりとその扉が開いたのでその勢いで倒れてしまった。
中はかなりほこりっぽくて咳き込む。
この部屋だけ窓から月の光が入っていてその光の先に小さなテーブルがある。
その上に古い本が置いてあった。


.

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作者名:もちぷよ | 作成日時:2023年1月1日 22時

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