【15】 ページ16
もう、あれから1週間……
私達が話すことはなかった。
何度か涼太に声掛けられそうになったのを私が避けてたからなんだけど…
でもこのままってのもやっぱり辛いなぁ。
今日も彼女は涼太を迎えに来たようだ。
「黄瀬くーん！おはよ。行こっ！」
彼女の声が聞こえる。
この間涼太が起こしにきてくれたのがもうだいぶ前の事のように思えるなぁ。
「黄瀬君！何よ！先行っちゃうからね！！」
は？涼太？寝てるのか？
出てってやってよ……
彼女は本当に先に行っちゃったみたい。
私もそろそろ行かないと…
ガチャ
っ！？
『涼太！？』
黄「おはよっス。」
部屋を出ると廊下に壁に寄りかかり、私に向かって挨拶する涼太がいる。
『ふ、不法侵入で警察呼ぶよ！』
黄「待つっス！今日もおばさんに頼まれたんスよ！」
『お母さんに？』
黄「この間は部屋まで入ったっスけど、さすがにまた平手打ちくらうのはごめんっスからね。」
そう言う涼太は頬をかいている。
『他にも理由があるんでしょ？』
黄「え！？なんでわかるんスか！？」
『はぁ…何年一緒だと思ってんの？』
黄「まぁ、そうっスね。」
バンッ
へ？
何が起きたかわからなかった。
私の右側に涼太の左腕が見える。
涼太の右手は私の顎に……
目の前にある涼太の顔……金色に光った瞳は閉じており綺麗に並んだ金色のまつ毛が見える。
そして私…涼太にキスされてる！？
『んん……？』
私の顎にあった涼太の右手は私の頬に優しく触れた。
私を持ち上げるように左腕を私の腰に回し、グイッと涼太の方へ引き寄せられる。
な…に…これ！？
どうしよう、振りほどけない…
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作者名：moana | 作成日時：2017年10月18日 14時
