泣き虫12 ページ14
「南沢さん！」
門を出ようとすると、
最後の最後に、浜野と速水が見送りに来てくれた。
「ちゅーか、マジで行っちゃうんですか？」
「寂しいです……」
「あぁ、大マジ。
今まで、ありがとな。
サッカーとか関係なく、お前らといれて楽しかったよ」
これが最後。
だから、本当の気持ちを伝えたい。
本当は、
三国たちと一緒に卒業したい。
本当は、
一年たちにサッカーを教えたい。
本当は、
まだ倉間と居たい。
伝えきれなかった言葉を、
浜野たちに授けた。
「ぅぅっ……」
「ちゅーか、なんで今……」
「本当に、悪かった。
俺が、弱かっただけなんだ……」
そうしてる内に、
親の車が、門の前まで迎えに来た。
「……あ、俺、行くわ」
「ちょ、南沢さん！」
俺は、
呼ばれているのにも関わらず、
車に向かった。
「……、あ」
と、思い出すかのように、浜野たちへ向き直る。
「浜野！速水！」
「え」
「はい……」
最後は、
俺の決めの笑顔。
「あいつ、強いよ。
俺より、何倍も……。
俺は、強虫なんかじゃない。
俺が、泣き虫、だった」
「……へ」
「……南沢さん？」
「……じゃあな」
後輩に、
涙なんか見せてやるかよ。
俺は車に乗って、シートベルトをつけた。
鏡で後ろに座っている俺を見た両親は、驚いていた。
「篤志……」
「あらあら……」
言うまでもない。
俺が泣いているからだ。
泣いているのに、笑っているからだ。
好きだった。
雷門が、
サッカー部が、
倉間が。
だから次は、
"涙"じゃなくて、
"笑顔"で、ここに来よう。
そう、約束する。
＿＿倉間。
*
ラッキーアイテム
雷門ユニホーム11番
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
常連客 - 佐倉 照：Reさん» いえいえ、全然曖昧じゃありませんよ！とっても素晴らしいです。頑張っちゃて下さい。これ、神作ですから<(｀^´)> (2015年7月20日 16時) (
レス) id: 3322158484 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 常連客さん» すみません、曖昧な表現で笑 ありがとうございます＾＾ (2015年7月11日 12時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
常連客 - また見に来ました。いつ見ても感動的ですよね、南倉で剣城の片思い(？)的なのと、速浜(？)浜速(？)の続きが気になっちゃってたりします！これからも、更新頑張って下さい。 (2015年7月11日 8時) (レス) id: 3322158484 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます＾＾そう言っていただけて嬉しいです！ (2015年6月17日 20時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 常連客さん» ありがとうございます＾＾頑張ります！ (2015年6月17日 20時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
