幼馴染は実力派【ハイキュー!!】【音駒】

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no side






『ｯ！！』





ドゴッという鈍く重たい音がして

ボールはコートの外へと飛んでいく。





『ｯあ、』





衝撃を吸収する様に転がったAは

弧を描くボールを見る。






『……まだ、』






Aの目には２つの光景が重なっていた。


全中、決勝戦。


自分が捨て身で拾ったボール。


今はもう、触ったから拾えない。






「ﾝ任せろォォォォ！！！」


『！』





田中が走り込む。

伸ばした右腕に、ボールが触れる。





「ぅおりゃあぁっ！！！」





グン、と振り上げた腕。

それに伴ってボールも上がる。





「チャンスボール！！」





相手コートに戻ってしまったボールは

また流れるような動きで東峰に送られる。





『猫根性……！！』


「Aｯ……！？」





起き上がったAは

リベロ顔負けのダイビングレシーブを決める。





「ｯそ……！！また……！！」


『ごふっ……』←


「Aぉぁぁぁ！？
すっげぇ音したけど大丈夫か！？」





無論、Aはリベロでは無いので

完璧に受身を取れないこともある。

現に腹から床に落ちた。←





そしてボールはと言うと

影山と日向の新しい速攻が失敗してしまい

澤村チームの勝利となってしまった。





『お"疲"れ"様"でじだ……』←


「A……お腹は大丈夫……？」


「結構勢い良かったぞ……」


『何とか……』





プルプルしてるAに

縁下や田中がアワアワと声をかける。





「Aーっ！お疲れ！レシーブ上手いなぁ！」


「心が折れそうだったよ……」


「ヒゲチョコが。お疲れ、A。」


「水瀬すっげぇなぁ！ナイスダイビング！！」





菅原に続き、東峰や澤村、西谷なんかも声をかける。

Aはどうもどうもと頭を下げる。





『影山君、日向君もお疲れ様。』


「先輩がせっかく拾ってくれたのに
決めきれなくてすみませんでした……！！」


「俺も……結局１本もトス成功しなくて、」





明らかにしょぼくれる２人に

Aはポンと肩に手を置く。





『失敗は成功するためには必要なんだよ。
だから、次は出来ると信じて挑戦することが大事！
──────今日の挑戦は無駄にはならない。』


「「……！！アザっす！！！」」





ニッ、と笑ったAに

日向と影山は顔を輝かせ頭を下げる。





「水瀬、次のゲームなんだが、」


『！？』←


「頼む。」


『！？！？』←





ほぼ強制的に次のゲームが始まった。

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