陸拾弐 ページ47
no side
「ハッ…Aさん!!炭治郎さんから聞きました!
兄上を助けて頂き、ありがとうございます!」
『いやいや……それが私の役割だからね。
ほら、千寿郎君、涙を拭いて?』
「グスッ……」
Aは少し屈んで千寿郎の涙を拭く。
涙を拭われた千寿郎は
再びハッとしたように父を見た。
「父上、またAさんと喧嘩なさったんですか?
兄上の命の恩人なのですから……」
「……喧嘩ではない」
「でも……」
『あはは、大丈夫だよ千寿郎君。
私と槇寿郎さんは柱時代からの仲良しだからね』
「仲良しではない」
『またまたぁ照れちゃってぇ』←
「照れてない」
Aが槇寿郎をツンツンするので
槇寿郎は鬱陶しそうにその手を叩き落とした。
『私もう立ってるの疲れたよ槇寿郎さん!』
「……物を壊すなよ」
『分かった!!』
槇寿郎はやむ無し、といった感じで
Aを自宅に入れた。
「すぐお茶をお持ちしますね!」
『お構いなく〜』
「そう言えば……
Aさんはどれ位で目が覚めたのですか?」
客間に座る一同。
あ、槇寿郎は縁側にいるが。
(なぜか)隣に座った杏寿郎はAに尋ねる。
Aは気にしてなさそうな雰囲気で答えた。
『一日♡』←
「相変わらず化け物だな」
『縁側から凄い失礼な声が聞こえた』
Aはとても素敵な笑顔。
流石の杏寿郎も冷や汗が流れる。
『傷は治ったのに出掛けちゃ駄目って言われてさ、
もう退屈で退屈で仕方なかったよね』
「それは……胡蝶の判断が正しいと思います!
皆、Aさんが心配なのです!」
『ふふ、それは嬉しいなあ。
でも私は自分より皆の方が大事だし心配だよ』
Aは杏寿郎の左目付近をそっと撫でる。
それから申し訳なさそうに目を伏せた。
その一連の動作を見ていた杏寿郎は、
パッとAの手を握った。
杏寿郎の手は指が何本か欠けており
猗窩座との戦いの激しさを物語っていた。
『!』
「Aさんのお陰で今こうして生きていられる!
今回の件は俺の力不足が原因なのです!
Aさんの責任ではありません!
だから、どうかそんな顔をしないで欲しい!!」
杏寿郎の表情は真剣そのものだった。
『……杏寿郎は強いよ。とても強い。
よく、頑張ったと思う』
Aはそっと杏寿郎の頭を撫でた。
619人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
邑 - 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時