検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:182,153 hit

伍拾漆 ページ42

炭治郎side




「悔しいなぁ。何か一つできるようになっても
またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。

凄い人はもっとずっと先の所で戦っているのに
俺はまだそこに行けない。

こんな所でつまずいてるような俺は
俺は…煉獄さんみたいになれるのかなぁ……」





涙が止まらない。




技をたくさん出して疲れてるはずのAさんの方が

ずっとずっと多く、長く戦っていた。




あんなに怪我していたのに、俺より重症なのに、

なおも猗窩座を怯ませてすらいた。







俺は……煉獄さんみたいには…………








「弱気なこと言ってんじゃねぇ!!」







伊之助の大声に思わず顔を上げる。






「なれるかなれねぇかなんて
くだらねぇこと言うんじゃねぇ!!

信じると言われたなら
それに応えること以外考えんじゃねぇ!!

負った傷は治らねぇ!!失った手足も戻らねぇ!!
べそべそしたってどうにもならねぇんだよ!
お前が言ったんだろ!!

悔しくても泣くんじゃねぇ!!」





伊之助のかぶり物から涙があふれ出す。

……伊之助の言っていることは、もっともだ。





「どんなに惨めでも恥ずかしくても
生きてかなきゃならねえんだぞ!!」


「お前も泣いてるじゃん……
かぶり物からあふれるくらい涙出てるし」


「俺は泣いてねぇ!!」





痛々しい音が響く。

伊之助が善逸に頭突きを食らわせた音だ。





「こっち来い!修業だ!!」





伊之助に羽織りを引っ張られる。

俺は涙がもっと出てきて、止まらなかった。





俺が動かないせいで

伊之助はずっと俺を叩き続けた。





しばらくすると隠の人達がやって来て

気を失った煉獄さんとAさんを運んで行った。





「アンタらも早く治療しに行くぞ。
あのお2人なら数日経てば目を覚ますだろうよ。
…………礎様なんてほぼ傷塞がってたし」←


「Aさん何者なんですか……??」




「…………"樹"と同じなんだよなぁあの人。
並外れた回復力は木が傷を治すのと同じでさ。
さらに強度を増していくんだよ。

癒着力も同じ原理で兎に角強い。
傷って血が止まってから線維芽細胞……
まあ新しい皮膚を作る細胞な?

それがわぁーっと集まって新しい皮膚になるわけ。
で、礎様はその線維芽細胞がめちゃ強い。
分裂速度が異常。

そのお陰で傷はほぼ一日で塞がる」





隠の人が説明してくれる。

…………Aさんって凄い人なんだな。

伍拾捌→←伍拾陸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
619人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙羅(プロフ) - 邑さん» コメントありがとうございます!!長らくお付き合い頂いて本当に嬉しいです……!芽吹お師匠のところは私も書いてて泣きそうでした……今後は宇髄さん以外にも沢山の方が登場予定なので、ぜひよろしくお願いしますー!! (2020年2月2日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- 前編から読ませて頂いています、凄くこの作品好きです!!師範のところ、もう、涙がぼろぼろでてきました...!! (2020年2月2日 17時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙羅 | 作成日時:2020年1月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。