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第1話・日常 ページ2

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『聞いてない。』


「言ってないからね。」





優雅に微笑む幸村精市。

この立海大附属中学校の男子テニス部部長である。





『部活来たら鬼ごっこしてるなんて聞いてない。
私以外の部員全員が鬼なんて聞いてない!』


「頑張ってねA。」


『うわぁぁあああぁぁ!!!』





そう。

絶賛追いかけられ中のAは

笑顔の幸村と会話しながら爆走していた。





『何で!?何で鬼ごっこなの!?』


「君を捕まえたら一万円って言った。」


『どこのyoutuberだ!』





ツッコミを入れつつAは逃げていく。

刹那、目の前に現れた人影に身を捻る。





「避けられたぜよ」


『うぬぬ……お主もやる気か!?』


「反射神経は相変わらず文句なし……か。」


『サラッとデータ取られた……』





避けられたのはどうでも良さそうな仁王雅治と

涼しい顔をして木に寄りかかる柳蓮二。





Aは持ち前の運動能力の高さを生かし

バク転で方向転換すると校舎の壁を背に立ち止まる。





「さて、俺は疲れたから休憩するよ。」





爽やかな笑顔を浮かべ去っていく幸村。

彼と入れ替わるように現れたのは柳生比呂士。





「この様に女性追いかけ回すのは無粋ですが……
これもトレーニングの一環だそうなので。」


『……私を追い詰めたつもりかい?』


「む……?」





どこぞの悪役みたいなセリフを吐くA。





『ふはははは!!甘い!甘いぞ柳生比呂士よ!!
私にはまだ!!コレがある!!』


「なっ……!!」





Aはそう言い放った瞬間、

校舎の壁にある小さな突起を足場にして

数メートル程かけ登ったのだ。





「ッ……次こそは逃がしませんよ!!」





こちらもノリノリである。





さて、Aは壁をかけ登り

校舎近くに生息する木に飛び移る。

……猿かな??





『よいしょ……っと、』





クルクルと枝を使って木からおりると

目の前に立つ人物に目を見開く。





『真田副部長もご参加ですか??』


「俺は参加していない。
こんな賭け事のような事をするなど言語道断だ。」


『まぁ真田が参加してたら私気絶してた。』


「……俺に捕まればこの様な遊びは終わり、
俺は金を受け取らないので万事解決だがな。」


『結局敵かよ。』





伸びてきた手をかわし

Aは小さく悲鳴をあげながら走った。

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沙羅(プロフ) - I like chocoさん» コメントありがとうございます!気まぐれ更新ですが頑張りますねー! (2020年3月9日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - お、面白い!続き待ってます! (2020年3月9日 13時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年6月13日 23時

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