お隣、19日目 ページ19
▽
「き、北さんどうしたんですか…！」
「どうもしてへん」
してるじゃん！めっちゃどうかしてるじゃん！いつもの北さんじゃないじゃん！
そんな心の声を抑え込みながら、私は北さんから逃れる方法を考える。私はまだ死にたくないんですごめんなさい。
「……A」
やめてーーー！そんな声で私を呼ばないで！治君とか侑君なら冗談で乗り切れたけど、北さんは無理だよ、私沸騰して死ぬ。
北さんにそんなつもりはないんだろうけど、顔にどんどん熱が集まっていくのが恥ずかしい。きっと私は今リンゴ並に赤い。
「顔真っ赤やぞ」
「わ、分かってます！」
ていうかそれ、北さんのせいだから。
なんて文句を北さん相手に言えるはずもなく、私は黙る。黙ったらまた顔が熱くなってきた。無限ループだ。負のループだ！
「なんでこんなに赤いんやろな」
「っひ、ちょっと、！」
北さんの冷たい手が頬に触れて、思わず声が出る。
やだやだやだ、何考えてるのこの人。私は緊張のあまり死にそうだし、北さんは涼しい顔してるし、どういう状況なのかなコレ！
「なあ、A、」
「なんですか…？」
「俺、Aのこと__」
「ただいま戻りました〜〜〜！！！！」
「…………」
「…………」
北さんの声を遮り、バカでかい声で帰還宣言をした侑くんの登場に、私は胸を撫でおろす。ゆっくりと元の体勢に戻った北さんを見て、さっきまでのアレはなんだったのかと問いただしたくなった。
「ていうか、何してはったんですか」
「エッい、いや私が倒れこんでそれで、」
「遊んどっただけや」
いやその言い訳は苦しいッ！
北さんってば誤魔化す気ある？私の言い訳の方がまともだったよ？
現に治君の視線が完全に疑っているソレだ。侑君は困惑顔って感じで面白い。
「ま、まあとにかくお菓子食べよっか！」
「せ、せやな！」
私と侑君は結託してその場の雰囲気を良くしようとするが、何故か治君は不機嫌そうだし、北さんはいつも通りの無表情だし、どうしようもない。
侑君とこっそり目を合わせて苦笑した。
__結局その後、勉強会は死ぬほど気まずい雰囲気の中再開し、侑とAはまったく集中できず赤点保持数を増やすことになったのは、また別の話。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです！そちらの曲も聞いてみたいと思います！ (2020年5月27日 13時) (
レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます！！OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました！聞いてみてほしいです！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬田 | 作成日時：2020年5月15日 20時
