向い合わせの空【花宮真】 (ページ7)

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勝ちましたページ7

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花宮「明日も早いし寝るぞ。テレビ消せ。」

貴「消しません。私はまだ起きてますので、お先にどうぞ寝ていてくださ＿＿＿いっ!?」

ガツンと音を立てて彼の拳が私の頭に降り注ぎ、目を見開いてその衝撃と痛みに耐えた。

ほんっとうにいい加減にしろよこの童貞。人がせっかく好きなサスペンスドラマの犯人と、ダイイングメッセージのトリックを見破ろうと一生懸命推理していたと言うのに。

今ので全部ぶっ飛んでしまったじゃないですか。

それなのに、何ですか、あんのふてぶてしい顔。まるで反省の色が見えない。一回本気で殴りつけておかないと気が済みません。とりあえず話はそれからです。

貴「人がテレビを見ているのにも関わらず、勝手に電源を落とすとはどういう了見ですか？私まだ寝ないと言いましたよね？聞こえませんでしたか、この木偶の坊。」

花宮「聞こえてたっつーのブス。俺が寝るのにお前が起きてるのとか許せねぇ。だから一緒に部屋行くぞ。」

貴「許せないって…一体どこの暴君なんですか君は。許すも許さないも、別に貴方に迷惑をかける訳じゃないんですから、ほっといてくださいよ。

大体、今日一日、誰かさんの陰湿な妨害のお陰で自由な自分の時間を取ることが出来なかったんですよ。だから夜くらい好きなようにさせてください。」

この戦いこそは買ってやると、いつも以上に息巻いて強気で攻めると、花宮さんはなにも言わずに部屋へと歩いていった。

あれ？もしかして今私、貴方に勝ちました？あの悪童に言葉の暴力だけを駆使して？

もし本当にそうだとすれば、今世紀最大の喜びです。もう思い残すことは何もありません。

早速みなさんにメールでもって、あのGUESS宮さんを報復させたとでも勝利の凱旋でもしますか。……って。

貴「………アレ？私の携帯は？」

ついさっきまで手元に置いてあったハズの携帯を探し、目線を下げると、そこにあったのは私の白い使い慣れた携帯ではなく、彼の黒い最新型のスマホであった。

えー。間違えられて持っていかれた系？メンドクサッ、アイツの部屋まで行って取り替えしにいくの。

あー。でも、ほぉっておけば、勝手にフォルダを開いて誰かに転送したり、パスワード変えて楽しんでるかもしれないし…

しゃーないや、奪還しに行こう。ついでに、この前貸したCDとホラー映画も奪い返しておきますか。

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