向い合わせの空【花宮真】 (ページ35)

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偶然ページ35

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京都独特のこの地形が候をそうしました。ひと度路地に入ってしまえばイェアです。

年のためにGPSを切っておきましたから追跡される心配もないでしょう。完全にやつの目を欺いたぜ。

これで気兼ねなく遊べそうです。まずは手始めに湯豆腐でも食べに行きましょうか。丁度近くに征十郎のオススメのお店屋さんもありますし。

貴「……あっ、ヤベッ。」

いま視界の端をコキブr…もとい、オタマロ系イケメンの花宮さんが通過していきました。目障りですね

にしても、ものすごいスピードで駆け抜けて行きましたよ。警察犬にも負けてないんじゃないでしょうか。

まぁ、どーせいくら頑張っても私を見つけられる訳ありませんから。なんたって帝光時代に培われてきたミスディレクションを惜しみ無く発動してますから。

相当の「視野」を持っている人にしか捉えることは出来ないでしょう。ザマァみやがれ悪童が。

赤司「ねぇA、いつまで僕を楯にしているつもりだい？」

貴「あぁ、ごめん。ナイスタイミングで覇王クラスの威圧感が手に入ったから隠れさせてもらっちゃった。」

赤司「久しぶりの後輩との再会に、殺気のこもった嫌みを言ってくるなんて相変わらずだね。少し泣きそうになったよ。」

貴「それはなにより、思う存分泣き散らしてくれて構いません。私は全然笑ったりしないし気にもしないので。」

赤司「そんな風に口元を押さえて説得されても信用できないんだけど…。」

呆れかかった目で睨まれても困ります。

けどまぁ、まさか本当に征十郎と出くわすなんて思いませんでしたよ。

憑いてるんだか、神に見捨てられたのか。ハッキリ言ってあまり嬉しい偶然ではないですね。

あ、また見覚えのあるゴキブリがカサカサと私を探し回ってる。足のリーチが長い分走るの早くて羨ましいです。あの眉毛は欲しくないですけど。

貴「とりあえずどこか座ろうよ。歩き回ってお腹すいた。ついでにあの黒いのから身を隠したいし。」

赤司「巻き込まれた感が尋常じゃないけど、気にしないでおくよ。早い話、僕に逃走の手助けをしろってことだろう？」

貴「さすが征十郎。わかってるじゃん。伊達に厨２病患ってないね。」

赤司「……そんな誉められ方されても嬉しくないよ。」

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