向い合わせの空【花宮真】 (ページ30)

今日:15 hit、昨日:0 hit、合計:38,110 hit

だからなんでページ30

.

花宮「少し寝るから11時になったら起こせ。」

貴「え？花宮さん？」

花宮「＿＿＿＿」

貴「…寝ちゃってる？」

私の返事も聞かないで、スヤスヤと寝始めた花宮さんに、そっとブランケットをかける。

きちんとベットで寝ればいいのに、ソファーで
んて寝たら逆に疲れません？

てゆか、散々人を罵倒しておいて、ご自分は優雅に仮眠ですか。しかも私の太ももを枕にして寝てるし、何て贅沢な。ひとまず起きたら慰謝料請求です。

貴「にしても……」

髪の毛サラサラですね。綺麗な黒髪だし。同じシャンプーを使っているハズなのに、どうして私の方が見劣りするのでしょう。ちょっと悔しいです。

その上寝癖も付かないってどういう良兼ですか。このキューテクルめっ、ワックス何使ってるのよっ白状しなさい！

じゃないとその髪で遊び始めますよ！私の美技にかかればあんな事やそんな事になるんですからね！まずは手始めに前髪から痛め付けますか。

貴「ポンパドールにしちゃおうかな。」

あー、でも起きた時に怒られるよね。それは困る、かなり困る。仕返しとか言って何してくるか分からないし。まったくもって面倒な人種ですよ。

口塞いで黙ってれば、ただの眉毛が奇怪な陰湿野郎ってだけで済むのに。どうしてこんなに残念なんでしょう、勿体ない。

大事に出来ないなら私にくださいよ。その無駄に整った顔と頭脳。本気で奪取したい・・

貴「……ふ＿っ………眠い…」

私も寝ちゃおうかな。暴れ疲れたのとお腹一杯なのが重なって、睡魔が魔王クラスで攻めてきました。

起こしてって言われたけど、アラームをセットすれば大丈夫ですよね？

少しだけなら・・

貴「＿＿＿＿＿」

……

…………

……

貴「・・あれ？」

ここどこ？さっきまで家に居たよね？なのになんで車の助手席に座ってんの？

なんで花宮さんがいい笑顔でコーヒー飲んでんの？どうして高速道路のパーキングエリアで休憩とってんの？

花宮「あ？何だよ。もう起きたのか。さっき買ってきた。お茶とココアどっち飲む？」

貴「わざわざありがとうございます。じゃあココアで……って、

違うから！説明して！ここどこですか！？なんで外に居るの！？」

花宮「はぁ？んなもん決まってんだろ。旅行だよ、旅行。二泊三日の京都旅行。」

大変です。日本語が通じねぇ。

.