黒羽根の主1 (おとぎ話的なもの) ページ6
一枚の羽根
闇より深い艶やかな黒
この羽根の主は....
私はこの国の姫である。あまり大きな国とはいえないけれど、国民たちは皆幸せそうにいつもニコニコ笑っていてとてもいい国だと思う。これも私のお父様のおかげ。そして、私もお父様のようにならなくてはならない。
いずれはこの国を治めることになり、そして、会ったばかりの王子と結婚させられる......
彼女はなかなか眠ることができずにベッドの上でそんなことを考えていた。
彼女はいつもお城の中にいて外に出て遊んだことがない。それは立派な姫になるようにと様々なことを学ばされているからだ。勉学は勿論、ダンスやマナー....生まれてきてからずっとずっとそんなことをさせられて生きてきた。彼女は学ぶことがとても好きだから、それでも楽しいと感じていた。
でも、あれを見た時から”苦しい”とそう思うようになった。
いつか見た窓の外。
大きな鳥が一羽青い空を飛んでいた。
自由に行きたい場所に向けて羽を広げて飛ぶ姿が眩しかった。
”私は一生ここから飛び立つことができない”
そんな言葉が彼女の心に刺さった。それは心の奥に入り込んで今も刺さったまま。
彼女はベッドから起き上がり、窓を見て驚いた。窓が開いている。閉めたはずなのに...
サーっと風が頬を撫でた。その時、一枚の黒い羽根が風と共に入ってきた。
鴉...？
彼女はそれを拾って窓辺に向かい、大きく開いた窓を閉めようと思って身を乗り出した。その時にふと下を見て驚いた。すぐ下にある屋根の上に鴉がいたのだ。でも、普通の鴉と違って大きく、身体に一枚だけ白い羽根が生えていた。鴉は彼女のほうを見ると少し驚いたように目を丸くした。
貴)あ..あの...鴉さん？
彼女はそう声をかけた。
鴉)申し訳ありません、姫様。ここから見える月があまりにも綺麗だったもので少し羽を休めていました。もうこれで立ち去るので...
貴)待って！お願い、いかないで！貴方と話がしたいの！だから、ここまで飛んできて？
鴉)....姫様がそう仰るのなら
鴉は翼を広げるとふわりと彼女がいる窓辺に着地した。
貴)今日は色々と考え込んでしまって眠れなくなってしまったの...
鴉)...よろしければ私に全てを打ち明けてください。そうしたら、眠れるかもしれません...
貴)そうね...そうする...
彼女は全てを鴉に話した。自分の苦しい気持ちを全て吐き出してしまった彼女は疲れたのか近くにあった椅子に腰かけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レミ - 性的な描写があります。フラグをちゃんと立ててください (2018年11月25日 14時) (
レス) id: 9e95386d93 (このIDを非表示/違反報告)
瑞 - 黒猫さん» ですよね♪ギャップ萌えですよ！！！ (2016年4月17日 10時) (レス) id: 0eaa8b78af (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 瑞さん» そうですそうです！怖いから良いのです！変態だから良いのです！ww イケメンなのに...っていうギャップがたまりませんw (2016年4月13日 22時) (レス) id: 5e877ed3ac (このIDを非表示/違反報告)
瑞 - 黒猫さん» もう。。。なんか、怖いですww でも、それがいいんですよね♪ (2016年4月10日 23時) (レス) id: 0eaa8b78af (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 瑞さん» 見れたんですね！opで猿轡をつけて出てきたのにはびっくりしましたよww 確かに光秀様は使いやすいです！技もかっこいい！でも、宴とそれ以前では技がちょっと違ってて以前はもっと激しい技がありましたww (2016年4月5日 21時) (レス) id: 5e877ed3ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒猫ノ尻尾 | 作成日時：2016年2月1日 22時
