明智のち天海 〜死神たちの短編集〜

特別授業 (現代) ページ39

天)Aさん

貴)はっはい...!

天)私の話を聞いていましたか?

貴)えっ...あの...すみません...もう一度お願いします...

駄目だ...集中できない...

隣に座る大きなマスクが印象的な家庭教師の天海先生

切れ長の目が不思議そうに私を見つめる

天)どうしたのです...?今日は何をやっても上の空という感じですが...

その通り

今日は何をしてても上の空

だって、今この家には私と先生だけ、つまり2人っきりということ

しかも、先生は私が密かに思いを寄せている人

そんな人と2人っきりなんてたえられるであろうか

いつもはお母さんもいるのだが、親戚の人の結婚式があるそうでお父さんと一緒に行ってしまって、明日の昼くらいまで帰って来ないし...私はどうしたら良いのだろう...

天)少し顔が赤いですね...大丈夫ですか?

貴)へ...?っ!?////

先生のひんやりとした手が私のおでこに触れる

天)熱はないようですね....ですが、先程よりも顔が赤い...どうしてでしょう?

貴)わっわかりません...本当にどうしたんだろう...////

心の中で先生のせいです!と叫びながら私はうつむいたまま応える

天)困りましたね...これでは勉強が出来ません...仕方がないので少しお話をしましょうか。

先生は私の腰に手を回してぐいっと引き寄せ、耳元で囁く

天)Aさん...

名前を呼ばれただけなのに体が敏感に反応する

天)ククク...そんなに震えてどうしたのです?

貴)だって先生がっ...////

天)私がなんです?

貴)っ...先生が...近くて...恥ずかしいから////

きっと先生は私の気持ちに気付いている

だけど、わざとこういうことをして私の反応を楽しんでいるんだ

天)ククッ!随分と可愛いことを言ってくれますねぇ...

貴)うぅ...////

天)私に近づかれただけで恥ずかしくなるのなら、この可愛いらしい唇に口付けたらもっと恥ずかしくなってしまうのでしょうね。

私の唇を指でなぞり、目を細めて笑う

天)試しにしてみましょうか?

貴)え...っ!?////

先生は素早くマスクを外すと唇を重ねた

貴)ふっ...んぅ...///////

天)んっ...はっ...あぁ、とても柔らかくて美味しいです...もっと欲しくなってしまいます...

私はもう恥ずかしくて両手で真っ赤な顔を覆った

天)Aさん、今日は私といいことをしましょう?

貴)いいことって////

天)クククッ...どうです?

怪しい笑みを浮かべた先生に顔を覗きこまれ、私は戸惑いながらも小さくうなずく


それが特別授業のはじまりの合図だった

1000hit記念作品！ 大切な人 1 (戦国)→←休めというのは口実で (現代)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す