明智のち天海 〜死神たちの短編集〜

歪み (戦国) ＊グロ注意 ページ33

“とかげは尻尾が切れてもまた生えてくるの”

“私もね、それと同じように...”









真っ暗な牢の中

蝋燭に灯る火が少女の真っ白な肌を映しだし、それと対照的な赤がてらてらと輝く

貴)みつ...ひでっ...さまぁ...

血に濡れた肌に食い込む男の歯

じゅわりと新たな血が流れ出る

貴)ひっ...あぁぁっ...!!

ぐちゅりと鈍い音をたてて噛みちぎられ、少女の口から悲鳴にも似た喘ぎ声が漏れる

明)ククククッ!相変わらず良い声でなきますねぇ...

くちゃくちゃと少女の肉を喰らい、口元を赤に染めにたりと笑うおぞましくも美しい男の顔

貴)もっと...たべて...ください...ませ...

途切れ途切れに告げる少女の瞳は虚ろでそれでいて妙に光り輝いていて、そこに男だけを映している

貴)わたしは...あなた...さまの...かて...わたしは...あなた...さまの...ちと...にくに...わたしは...あなた...さまと...ひとつに...

呪文のように言葉を紡ぐ少女

男はそんな少女を引き寄せ、抱き締め愛おしそうにその頭を撫でる

明)本当に貴女は素晴らしい...この綺麗な肌をどれだけ喰らっても、その傷はまた綺麗に再生する...ほら、先程私が喰らったところがもう治りかけていますよ。

男は傷を撫でてこの場にそぐわない微笑を浮かべた

貴)みつひで...さま...はやく...たべて...

明)ククッ...そう急かさないでくださいよ...

箸休めも必要でしょうと言うと男はクスリと笑って、少女の上唇を口に含み舐め上げた

少女はその行為にうっとりと目を細め、男の舌を求めた

甘くとろけるような血が舌に絡みつき互いの脳を麻痺させる

明)んっ...A...

貴)みつ...ひで...さまっ...

赤い糸がぷつりと切れて無意識に名を呼び合う

男はゆっくりと少女を押し倒した

明)では、そろそろ主菜と参りましょうかね...

舌なめずりする男の首に少女は腕を回す

そして、互いに幸せそうな笑みを浮かべるのだった








狂おしいほど愛おしい

歪んだ愛はとどまることを知らず

2人を闇へと包み込む

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