明智のち天海 〜死神たちの短編集〜

2/14 バレンタイン企画 天海ver. ページ26

貴)はい!金吾くん!天海先生！

綺麗なラッピングが施されたチョコ。

それを渡された彼らは少々驚いている様子。

貴)あれ...もしかしていらない...?

天・金)欲しいです! / 欲しいよ!

貴)ふふ!じゃあ、あげる♪

金)だけど、僕なんかが貰っちゃっていいの...?

貴)いいに決まってるじゃん!私があげたくてあげてるんだから!

天)本当にありがとうございます。ところで、これはAさんの手作りで?

貴)そうです!初めてだから上手くできたかわからないけど...

実は作ってる途中、何回か火傷して手がちょっとひりひりする。でも、2人の嬉しそうな顔見ていたら、痛みが和らいだ。

金)今、食べてもいい?

貴)いいよ!ちょっと恥ずかしいけど...

包みを開けて出てきたのはトリュフ。登校中に中のチョコがバラバラになっていないか心配だったが、綺麗に並んで入っていた。

天)おや、美味しそうですね。

金)お店のみたいに綺麗だね!

うぅ...あんまり褒めないでほしい...

金)じゃあ、頂きまーす!まぐまぐまぐ......んっ!美味しい!

貴)ほっ本当に!?

金)うん!中のチョコが柔らかくて最高だよ!天海様も食べたら?

天)...私はさすがに勤務中ですのでね...

貴)あっ後でゆっくり食べてください!

実は先生には今、その包みを開けて欲しくない。中にはだって好きだって書いたメッセージカードが...

天)ところで、Aさん。貴女に少し話したいことがあるのです。

急に真面目な顔をして言う先生。それを聞いてなぜか慌てる金吾くん。

金)...あっ、僕がいないほうがいいかなっ?じゃあ、僕失礼するよ!

貴)えぇ!?

金吾くんは急いで保健室を出ていく。

天)Aさん

貴)はっはいっ!

天)これ、開けてもいいですか?

貴)えっ////...あっ!

駄目ですと言う前に包みを開けてしまい、例のカードを手にとる先生。私は恥ずかしくて俯いたが、先生が何も言わないので少し顔を上げると、先生はマスクを外し、チョコを1粒ロに入れていた。

天)とても美味しいです。

先生はそう言って微笑むと、私の手をとり火傷した部分をなでる。

天)こんなに火傷をして...頑張ったのですね...

貴)っ!?////

私の手の甲に口付けるとまた微笑んでこう言った。

天)私も大好きですよ、A。

貴)〜っ!先生!////

私が抱き付くと、先生は背中に腕をまわしてぎゅっとしてくれた。





─幸せを呼ぶ手作りチョコ





(2人ともおめでとう!)

(金吾くん!?)

(おや、盗み見していたのですか?)

(わぁ〜!ごめんなさいぃ!)

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