明智のち天海 〜死神たちの短編集〜

kiss me (現代) ページ13

貴)見て見て！可愛いいでしょ！

彼女が見せてくれたものは鳥のぬいぐるみ。黄色い頭で体は黄緑色のふわふわとした手のひらサイズの鳥だ。

貴)ほら、ふわふわ〜

私の手のひらに置いてにっこりと笑う。

天)ククク、そうですね。触り心地が良く可愛いらしい...貴女が好きそうなぬいぐるみですね。

貴)ふふふ、でしょ！鳥さん良かったね！天海さんも可愛いって言ってくれた！やぁ〜本当に可愛い〜

ぬいぐるみを撫でてキスをし、胸ポケットに入れた。

天)おやおや、私は貴女からキスしてもらったことがないのに...この子が羨ましいですね...

そう意地悪く言ってやると彼女は顔を真っ赤にした。

貴)だっだって...それは...////

天)今、してください。

貴)えぇっ!?////

マスクを外して、小柄な彼女がキスしやすいようにしゃがんだ。

天)ほら、早く...

貴)じゃあ...その...目瞑って////

瞼を閉じると、暫くして彼女の手のひらが私の頬に添えられた。吐息が唇にあたるのを感じる。しばらくしてからゆっくりと彼女の唇が私の唇に遠慮がちに重ねられた。そして、すぐに唇を離した彼女をぐっと引き寄せて、再び唇を重ねる。

貴)んっ.....はぅっ...////

彼女から漏れる可愛いらしい声が愛おしくて何度も何度も唇を重ねた。最後のキスをした頃には彼女は床にへたり込んでいた。

貴)しすぎだよ.....////

天)貴女からのキスへのお返しですよ。

そう言って、頭を撫でてあげると彼女は頬を膨らませた。

貴)もう！1回私がすれば終わりだと思ったのに！////

天)フフフ...私とAがどれだけ深い仲なのかこの子に見せてあげたかったので。

私は彼女の胸ポケットに入れられたぬいぐるみを指さしてにこりと笑った。

天)まぁ....本当はAからのキスと可愛いらしい声のせいで抑えられなくなっただけですけどね...

そう言えば、彼女は顔を逸らして一言。

貴)馬鹿！////

そして、真っ赤な顔を隠すように私に抱きついて胸に顔を押しつけてきたのだった。

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