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モラトリアム ページ14



飛び散る鮮血に怒号、刀同士の交わる音がこの戦争の激しさを物語る。

火薬の匂いが充満するこの場所には、死の足音が常に付き纏っていた。


海軍側である王下七武海の妨害、そして大量の人間兵器パシフィスタの投入。

全てがここにいる人達の命を刈り取らんとし、私はいつ自分に襲い来るか分からない二度目の死に鼓動を早くした。


今まで身近にないと感じていた死を自覚して、今更ながらそれに怯えている。
誰もが幼い時に一度は抱いたであろう無への恐怖を、私は今覚悟もないまま突如直面し背負ったのだ。
けれど首に走り続ける僅かな痛みがまだ生きていることを実感させてくれて、そして今薙刀を振り下ろした時の感覚が、まだ自分が動けているのだと確証をくれる。



__基本的に彼岸花には匂いがないと言われている。



けれど、私が視る彼岸花はそうではなかった。

ふと鼻腔を擽った甘い匂いは嗅ぎ慣れた私しか気づけない匂いで、こちらの意識を持っていきそうなほど濃厚なその匂いに冷や汗が垂れた。



それは、云うなれば“死の匂い”。


甘い甘いそれに、私は一体誰がこれほどの死の気配を漂わせているのかと血眼になって探す。



__と、その瞬間広まったどよめき。



人々の視線の先に目をやれば、白ひげの船の上にふたつの人影。

白ひげ海賊団の一人と__彼に胸を貫かれた白ひげさんの姿があった。




『は?』




仲間割れかと考える人々の中で、私は彼の周りに狂い咲く花に目を見開いた。


スクアードと呼ばれた男が、自分たちは親父と海軍に騙されていたのだと言う。

傘下である自分たちの首を売って、白ひげ海賊団とエースは助かるつもりだったのだと。




全くもって馬鹿馬鹿しい。

そんなはずはないと私はすぐに男の主張を唾棄する。


そして私の考えを肯定するように、白ひげさんがスクアードを抱きしめた。

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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時

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