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3.御挨拶。 ページ3

うちのビルに入ってる会社の人達は、必ず管理人室の前を通る事になる。
階段もエレベーターも管理人室より奥にあるからだ。

だから、朝は私も管理人室の小窓から出社して来る人達に「おはようございます」と挨拶。
父親の会社に昔から務める社員さんなんかは、私を見て「Aちゃん!頑張ってるね!」とか言ってくれる。
時々お菓子くれたりする。いつまでも子供だと思われてるらしい。
ありがたい。


それは貰ったお菓子を食べてる時だった。
うまい棒のサラダ味。

「こんにちは」
「あっ、はい!こんにち...」

声を掛けられ、口元を押さえながら小窓から顔を出したら

「あ、食事中?」
「え...いえ...」
「臨時の管理人さん来たって聞いたから、御挨拶に」
「あ、はい...」

そこには『人の顔はここまで整える事が出来るのか...』と真剣に思ってしまう程に整った顔の男性が立っていた。
白いシャツにゆったりした黒いパンツ。
シャツの胸元には、サングラスが引っ掛けられてる。


「『澪』の者です」
「あ...!ミオさん!」
「初めまして、よろしく」
「よろしくお願いします!」

私が頭を下げると、彼も頭を下げてエレベーターの方へ向かった。
頭ちっちゃ...。モデル?


「あ、君が臨時の管理人さん?」
「わっか!めちゃめちゃ若いじゃん!」

彼の後ろ姿を眺めてたら、また別の男性が2人で管理人室の前に立っていた。
これまた迫力のある人達。甘い顔と涼し気な顔。モデル?

「あ...えっと...」

私が戸惑ってると、涼し気な顔の男性が「『澪』の小栗です」と挨拶してくれた。
続けて甘い顔の男性も「同じく生田でーす」と名乗ってくれる。

「あ、皆さんミオさんですか!」
「ミナサンミオサン」

韻踏んでる、って生田さんがクスクス笑ってる。


「ちなみに社長はアイツ」

小栗さんがさっきの彼を指さした。

「潤、ちゃんと名乗ったの?」
「あ?」

振り返った彼は私を見て「名乗ってなかったっけ?」と首を傾げる。

「ミオさん、としか...」
「あー、わりぃ。松本潤です」
「松本潤さん...」

私が名前を小さく復唱してると「君の名前は?」と小栗さんに訊かれた。


「朝霧です」
「朝霧って事は...え?このビルのオーナー?」
「の、娘です」

生田さんが「お嬢様ー!」って言ってる横で、小栗さんが「朝霧何ちゃん?」ってニコニコ。


「あ、朝霧Aです」

私が答えると

「...A...?」

私の名前を呟いた松本さんが、こっちを見た。

4.苦笑い。→←2.名ばかり。



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橘花(プロフ) - みぞれちゃんいいこ。。パラ潤もやっぱり彼らしくて、すごく素敵なお話でした!淡く苦いような甘いような、夏をすごく感じるお話で。随所で彼女のこととみぞれちゃんのことを考える潤くんが見られて切なかったですね。。10年がどんどん短くなりますように! (2018年10月2日 23時) (レス) id: 2798c105f2 (このIDを非表示/違反報告)
Minty(プロフ) - 今頃ごめんだけどやっぱり伝えたくて。私の中のパラ潤はまだまだ彼女を忘れられてなくて、だからみぞれちゃんと話した後は彼女のことを思い出してたんだろうなとか勝手に想像して切なくなってた。そういう裏側の光景まで読めるお話だった。書いてくれてありがとう! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 38bee720d5 (このIDを非表示/違反報告)
ま( *^◇^)る(プロフ) - やっと読めた〜!遅くなっちゃった。パラ潤にまた会えて幸せだよーありがと。 (2018年9月25日 19時) (レス) id: 43b5111d45 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - お疲れ様です。っていうの遅い位かな~ 本編ですが、甘さは無いかもしれませんがキュンが、これでもかって位詰め込まれてて凄く良かったです♪みぞれちゃんも未来に期待ができそうだし…reiさんのお話読めて楽しかった♪ (2018年9月25日 19時) (レス) id: aab6d8833f (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - reiさんのお話はみんな好きですが、このシリーズは特にお気に入りです!キャラがみんないい! まるでその世界にまぎれこんだ気持ちになります ありがとうございました! (2018年9月25日 18時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rei | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72  
作成日時:2018年8月11日 13時

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