百五十七振り ページ39
もう中では皆が作業を始めているのか、わいわいと声が聞こえている。
確かに、私の出る幕は無いのだろう。
そう判断し、乱のお言葉に甘えさせてもらうことにする。
縁側を通って自室に向かう。
肌に触れる風が気持ち良い。
まだ些か照る日差しに目を細めた。
さて、皆がしてくれている準備が終わるまでの間、私はとにかく溜まっているであろう仕事をしなければ。
「まずは審神者会議の内容の確認。次いで私が居ない間の書類整理。……時間遡行軍討伐の書類は倒れる前に仕上げているから問題なし。私が居ない間、出陣はしていないだろうから、新たな出陣記録は無しで……内番で誰かの能力が上がったりしてるかの確認は必要……先に畑や馬、刀装兵さん、刀鍛冶さんの確認だけでもしよう」
あぁ全く、やるべき事が沢山だ。
軽く目を回しながら、やるべき事をし始めた。
〜
「ふい〜！何とか終わったー！」
ぐい、と大きく背筋を伸ばす。
畑や馬、刀装兵さん、刀鍛冶さんに変わりはなく、能力値の変化の確認も終わった。
審神者会議の内容も、こんのすけから聞き及んでいた通り。
「修行、修行かぁ……」
思わず口にした。
政府からの許可を得た刀剣男士が行くもの。
この本丸にも幾振りか許可を得た者は居るが、果たして行きたいと志願するか。
まぁ私は、行きたいと言われたら許可するだけだが。
立ち上がって窓の傍に寄る。
もう彼は誰時で、すっかり太陽は山の向こうに落ちかけていた。
良い匂いが鼻孔を擽る。もう夕餉の時間だろうか。
部屋を後にし階段を降りると、丁度日向とすれ違った。
驚いた様な表情の後、にこりと品の良い笑みを浮かべる。
「おや主、良い時に会ったね。丁度呼びに行こうとしていたんだ」
「仕事も一段落ついてね。良い匂いがしていたからもうそろそろかと思って。いやー、良いタイミングだ。呼びに来てくれてありがとう、日向」
そんな言葉に日向は「どういたしまして」と笑いかけた。
「毎度思うんだけれど、呼びに来るの面倒ではないの？直接霊力を介して呼んでくれても構わないんだけど」
大広間に向かいながら問うと、日向は首を横に振った。
「面倒だなんて、誰も思っていないよ主。何故なら皆、主と話せる絶好の機会だと、楽しみにしているくらいなんだから」
「もしかして私、会話少ない…？」
「いや、主は皆の主だからね。余り独り占めは良くないと思っているんだよ」
『皆の主』
日向のその言葉が、やけに引っかかった。
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ナガミ(プロフ) - 睦月乃さん» 御意見、有難う御座います！良い話だなんて…創作者として冥利に尽きます。大変嬉しいです！！私も長い話の方が好きなので、もうなんなら文庫本になるくらいに書きたいと思います！！ (2018年9月16日 0時) (
レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Lupineさん» 御意見を下さり、有難う御座います！占ツクでは余り長い物を見た印象がないため、長編は嫌われるだろうか…そんなにこの話に興味はないだろうか…と悩んでいたので、長編が好きだといってくださって嬉しいです！もうとてつもなく長く書きたいとおもいます！！！ (2018年9月16日 0時) (レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
睦月乃(プロフ) - 私は長い話の方が好きです！ いつも良い話をありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2018年9月14日 17時) (レス) id: fab13ef4ac (このIDを非表示/違反報告)
Lupine(プロフ) - 私は長編小説を読むのが好きなので長く書いてくださると嬉しいです！これからも応援してます！ (2018年9月14日 7時) (レス) id: 4de4e1b52c (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - マナマナさん» コメントありがとうございます！！！そう言って頂けてとっても嬉しいです！！！！！！もう本当に嬉しいです...ありがとうございます(´；ω；`)これからも好き勝手更新するので、お暇でしたら是非見て下さい！！！本当にありがとうございます！！！！ (2018年9月1日 18時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2018年4月4日 21時
