貴方の余命、延ばします。【オリジナル・男主】 (ページ6)

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「げっ」

「何だいその反応は。

　僕先輩なんだけどなぁ」

部室に入ってきたニコニコとしている人は須藤さん。

３年の先輩で、一応ウチの部員だ。

たまに部室に来ては「暇してるかい？」と尋ねてくる。

頗羅堕はこの人が苦手らしい。

雰囲気と妙な威圧感が嫌いだとか。

「ざ、残念だったな！！

　今日は先日亡くなった青年の調査で忙しいのだ！」

あと、先輩も須藤さんを毛嫌いしている。

何故かは知らないが頗羅堕と似たような理由なのだろう。

須藤さんは先輩を無視してホワイトボードに近づく。

一通り見てから「ふーん」と呟き

俺のいる方に顔を向けた。

「この情報は無愛想クンが？」

無愛想クン。

須藤さんが俺につけたあだ名だ。

俺は他人に興味を示すことがあまりない。

その様子が須藤さんには〝無愛想〟に見えたのだろう。

『ええ、まあ。

　興味無いんでしっかり調べてはいませんが』

「興味無いにしてはちゃんと調べてあるじゃないか。

　特に成績なんて、予想だったとしても正確だよ。

　普段から他人を見てる証拠だね」

『須藤さんこそ

　阿部の成績表盗み見るなんて凄いじゃないですか』

「言い方が悪いよ、無愛想クン。

　見せてもらっただけさ」

「そんなのはどうでもいーけど

　須藤さん、アンタ何しに来たんすか」

先程の大爆笑はどこに行ったのか

頗羅堕は早く出ていけと言わんばかりの顔で須藤さんを睨んでいた。

その反抗にも須藤さんは知らんぷりで続ける。

「この最後の１行。

　これは無愛想クンの文字じゃないよね。

　君かい？三下クン」