＿＿奪ってもいい？？

STORY.19 ページ20

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鳴


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｢でさ〜うちの1年がすっげえ生意気なんだよ！！！｣



俺の心も体も癒す唯一の楽しみ



それはAの声を聞くこと



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だけど今日は様子がおかしい


電話越しでも分かるんだよ、A｡



俺がどんなに話しかけても

うん とか そっかぁ しか言わない



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｢…ねぇ、一也のことでも考えてた？｣



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俺のこの問に対しすっごい反応をする彼女



＿俺の話には反応しないで一也のことになると反応するんだ



｢な、なんで一也？！別にぼーっとしてただけだよ？！｣



彼女はそう言うけど、嘘なんでしょ


それくらい分かるっつーの｡

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あーもうイラつく



｢嘘ばっか！！｣

俺は限界に達し少し怒鳴る




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Aは俺のことだけ考えてればいいの｡

Aの1日は俺で始まって俺で終わる、どんなに幸せなんだろうな｡



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｢…Aのことが好きすぎてどうにかなっちゃう俺の身にもなれっての…｣



気づけば声に出ていた本音




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電話越しから彼女の声が聞こえた


｢ねぇ、鳴｡｣


大好きな声が俺の名前を呼ぶ

名前を呼ばれるだけでドキッとする俺がここにいる


｢なに？｣


緊張しながら彼女に返事をすると、


｢今の顔、真っ赤でしょ｣


クスクス笑いながら彼女に言われたことに返す言葉がない


だって、言う通りだし

誰のせいでこうなったと思ってんだよ


｢はぁ？！べ、べつに真っ赤じゃねーし！お前 、ばかじゃねぇの？！｣



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しばらくするとまた呼ばれる


そしてまた俺はドキッとする



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｢好きだよ｣



いきなり｢好き｣とか言われたらもっと言わせたくなるよね？




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ずっと言わせたいけどさすがにしつこくなるから最後に｢俺の名前呼びながら言って｣俺はそう言った




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｢好きだよ、鳴｡誰よりも好きだよ｣



望んでいた言葉の何倍も嬉しいこと言いやがって


好きが募っていくだけじゃん




｢ん、俺も大好き｣




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その後、色々話して今日の電話は終わった



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＿Aは誰にも渡さねぇよ｡



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