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act.7 ページ9

ヒュッと喉がひきついた音が聞こえる。
俺の体を触る小さな手は少し震えていた。
チャリ、と俺の左足首に繋がれたベッドに拘束するための鎖が音を立てる。



『どうした?雪、出来ないのか?なら仕方ないアスカ、代わりにしてあげなさい』


男の興奮したような汚らしい声が部屋に響く。
......代わりにしてあげなさい、と言うことはつまり雪を受け身にしろという事だろう。
この男、モモセ孤児院の院長は俺と雪がそういう行為をするのを見て楽しんでいるのだ。
嫌だ、嫌だ。雪はこんな痛くて、気持ち悪くて惨めになる様なことはしなくていいんだ。
こんな苦しい思いをするのは俺だけでいいんだ。



『雪!俺は大丈夫だから!お願い、はやくきて!』



雪が泣きながら行為の続きをする。
雪の白銀の髪が俺の頰にかかり少しくすぐったい。
雪の綺麗な夜空みたいな青い瞳が涙の膜に覆われてユラユラと揺れている。
泣かないでよ、雪。俺は大丈夫だから。
雪が泣いてると俺まで悲しくなっちゃうよ。
俺は疲れで重くなっている体をなんとか動かして雪の頰に流れる涙をぬぐった。





ふと目が覚める。
天井がぼやけて見える。
なんでだろうと思い、目尻を触ると指先が濡れた感触がした。
あぁ。俺は泣いていたのか。
久しぶりに昔の夢を見た。
7年前のあの忌々しい日々の夢。
忘れたいと思っても鮮明なままで全然忘れられない日々の夢。



なんで今更あの時の夢を見たのだろうか。
原因は汚いと罵られたことだろうか。
それとも久しぶりに懐かしい家族の写真を見たからだろうか。
大切な家族の写真を見たせいで悪夢を見たなんて絶対に嫌だから後者でないことを祈るのみだ。



ベッドサイドに置いてある時計を見る。
今は5時半くらいから。少し早いけどもう学校に行こうかな。で、朝練でもしよう。
もしかしたらちーくんも来るかもしれないし。



すぐに朝の支度をして家を出る。
誰にも会わなかったから今日はきっといい日だ。
朝の新鮮な空気を吸い込む。
暗い顔なんてしてたらちーくんや泉にバレちゃうから気持ちを入れ替えなきゃな。
スマホを出してカメラを起動しインカメにし、画面の俺に向かってニコリと笑って見せる。
よし、上出来だな。ちゃんと笑えてる。



今日はいい日。今日はいい日。なんて自己暗示じみたものをかけながら学校へ向かった。

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蒼井 - 月夜 黒輝さん» ありがとうございます!俺様と我輩もどっちも素敵ですよね〜。更新再開したのでこれからもよろしくお願いします! (2019年7月14日 10時) (レス) id: ff348a2def (このIDを非表示/違反報告)
蒼井 - サクさん» ありがとうございます!精一杯頑張るのでこれからもよろしくお願いします! (2019年7月14日 10時) (レス) id: ff348a2def (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - 凄く好きです!自分も推しは朔間先輩です!俺様ちゃんもいいし我輩もどっちも好きです!大好きです!続きが欲しいです!更新再開希望です! (2019年7月11日 0時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
サク - 面白いです!更新、頑張ってください!応援してます (2019年2月15日 21時) (レス) id: 5e249cc371 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼井 | 作成日時:2019年2月1日 20時

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