黒尾鉄朗と元NO.1 (ページ24)

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『烏野に1セットも取らせないつもりで頑張ってください！』

私がそう言うとみんなは黙って頷きコートに向かって行った。今のみんな…すごくかっこいいな。

猫｢ありがとな｣

『いえいえ。あの…9番の子ってたしか天才セッターって呼ばれてませんでしたか？』

猫｢そうなのか？｣

『曖昧な記憶なのではっきりと断言はできないんですけど、異名がついていたので何となく覚えています』

猫｢異名がつくなんて、よっぽどすごいんだな｣

『その異名はチームメイトにつけられたんですけどね…確か名前は影山飛雄だったはず』

猫｢どんな感じのセッターなんだ？｣

『私が見た試合ではスパイカーを置き去りにする無茶ぶりトスあげてましたね。私も人のこと言えないですけど…』

猫｢ほう…聞くまでもないと思うがAとどっちが上手いのか？｣

『私ですね。そもそも私より上手い人いないですし。』

猫｢相変わらずすごい自信だな笑｣

『…でもあの10番の子、すごいバネ持ってた気がするんですよね』

猫｢すごいバネ？｣

『多分すごい身体能力を持っているんだと思います。あの2人が同じチームって…嫌な予感しかしないんですけど』

猫｢まあうちはちゃんと強いから大丈夫だろ｣

『そうですね』

音駒と烏野の試合が笛の音と共に始まった。最初は普通に試合をしていたのだが有り得ないものを見てしまった。

『い…まの』

9番があげたすごく早いトスを10番が打っていたのだ。しかも目を瞑って。多分、あの2人はお互いが絶対的信頼を持っているからこそ出来ることだろう。

烏野の有り得ない攻撃がきてみんな驚いていたのですかさずタイムアウトをとった。

『10番、目を瞑って打ってますね』

猫｢そうだな。Aから何か言いたいことがあるんだろ？｣

『…犬岡、頑張って』

犬｢俺！？｣

『今のところあれについていけるのは犬岡だけだと思うしあの速攻を止めたら烏野にとっては痛い一撃だと思うから』

研｢俺もそう思う。｣

猫｢よし、焦ってないな？｣

｢はい！｣

猫｢じゃあ大丈夫だ｣

猫又先生がそう言うとみんなはニヤリと笑って戻って行った。それにしてもあの9番、私と似てる。

『…気持ち悪い』