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『みんな、ちょっと話してもええ?』

全国大会を優勝した私たちは今ミーティングを行っている。

「ん?どうしたん?」

『海城はさ…チームプレイが他と比べて圧倒的に欠けてると思うねん。もちろん一人一人は強いけど、チーム競技ではそれだけやったら意味ないと思うんやけど…』

私がそう言うとみんなは私に冷たい視線を向けた。

「別に勝てたんやから良くない?」

「そうそう。全国制覇出来たし。」

『…ピンチのとき、いつもウチのサーブが助けとる。このままやったらウチが試合出ないとき…どないするん?負けてまうで?』

私がそう言うとチームメイトは視線を合わせようともしなかった。

「Aはええよな。上手くて。」

「いっつもピンチのときサーブで助けてくれるもんな。」

「でもそれ今考えること?」

……は?こいつら何言ってるの?私がいなかったらどうするのって聞いたよね。質問に対してちゃんと答えて欲しいんだけど。私たちはその日から大きな派閥ができた。2、3年は私の意見を取り入れチームプレイもしようとしたので2、3年がいるときはまだ大丈夫だった。しかし、先輩たちが引退して私が主将になったとき。同学年の子はついてきてくれなかった。元々ついてくる気などなかったのだろう。後輩たちは付いてきてくれたが一部はついてきてくれなかった。

部内でそんな派閥が起きていたが全国大会へは行けた。ほぼ私のおかげだけど。

全国大会でも相変わらずチームプレイは出来ていなかった。みんな自分のことしか考えていない。だけど一人一人が強いからなんとか決勝まで行くことが出来た。

だけど全国大会の決勝戦。1セット目をとられていて相手のマッチポイントだというのに私が上げたトスは誰も打たなかった。

私が上げたトスはストンとそのまま床に落ちた。海城は準優勝となり私たちの中学最後の試合は幕を閉じた。

全国大会から数日後、顧問から呼び出されて話を聞きに行くとこう言われた。

「ユースから収集がかかった」

と。私に?ユースが?みんなから捨てられた私にバレーをやる資格なんてあるのだろうか、そう思っていた。でもユースのみんなは優しくて私にまたバレーボールの楽しさを教えてくれた。ユースでは主将を務め、ユースとして出た試合でも活躍でき、高校生を抑えてベストセッター賞をとることができた。そしてみんな口々にこういった。

「高校でもバレーやろうね」

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設定タグ:#ハイキュー , #黒尾鉄朗   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ウィッチ | 作成日時:2021年3月26日 15時

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