十番隊副隊長は朽木家の姫君

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Aside





雛森副隊長の手を回道で治療してから牢に入れる。

力なく眠っている彼女は青白く、血の気がない。








「すみません、私が一番雛森副隊長の近くに居たのに」




無力な私は、ただただ神速の速さに圧倒されていた。




「……Aが責任を感じることはねぇ。




お前達が来てくれなかったら雛森は死んでいた。

ありがとな 松本、A」



「……………いえ」
　




どうやら乱菊さんも体調がよろしくないようで、いつもの覇気がない。












乱菊さん……また、だ。


何かについて悩んでいる。

何かなんて言うまでもない。




私は知っている。

乱菊さんが市丸隊長の事を考える時、いつも物憂げな表情をする事を。




そして気付いて欲しかった。



市丸隊長が乱菊さんをどれだけ大切に思っているのかを。




一方日番谷隊長は何やら考え込んでいるご様子。

(あの藍染の手紙…

やはりAの言うとおりだった



朽木ルキアの処刑によって解放される双殛の力



その力を以って尸魂界の滅亡を謀っている。








あのくだりは本当か？

もし本当ならそれが市丸の野郎の狙いなら…


俺は)







床に映る自分の影を見つめながら、眉間にシワを寄せている。





すると、日番谷隊長が何か結界を張った。



「今のは鏡門？何故この部屋に結界を？」


「誰がどう動くか予想がつかないだろ。


あいつを……雛森を外敵から守る為」




厳しい表情と声でそう答えた。









「外敵・・・」




乱菊さんは隊長が放った言葉に、

自分の幼馴染みの顔を思い浮かべていた様だった。








「地獄蝶？」






1匹の地獄蝶が中に入ってきた





「隊長並びに副隊長各位に御報告申し上げます。

殛囚朽木ルキアの処刑の日程について最終変更がありました。







最終的な刑の執行は、現在より29時間後です」








「「「！！！」」」





“現在より29時間後”




この言葉を聞いた時途端に私達の目の色が確実に変わった。





「隊長、これは……」




「これは最終決定です

以降日程の変更はありません、以上」



「隊長！！！Aも…！」



隊長と私は物凄い勢いで部屋を飛び出した。




「処刑とそれに連なる双殛の解放


それが市丸の狙いなら、


この処刑このまま見過ごす訳にはいかねえ。













ついて来い松本、A
　



処刑を止めるぞ」

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