さん ページ4
ガラガラという音の後に
彼の ただいま という声が聞こえた
ようやく帰って来たか、と、笑顔で菜箸を構えた私を見て、朧がサッと目を反らした
ヒュン 顔の横を通った菜箸に目をやり
彼はタラリと冷や汗を流している
『お帰りなさい。さて、説明してもらいましょうか?』
あはははは…と乾いた笑みを浮かべる彼の頬をそっと両手で包んだ
『私、怒ってますよ。どれだけ心配したと思ってるんです? 本当に、もう心配させないでください』
本当に、どれだけ心配したと思っているのか
貴方がいないと寂しくて不安で仕方がない私を置いて、いつまで散歩をしているのか
彼は少し目を見開くとへにゃりと笑って言った
松「すみません。もう心配はかけませんよ」
怒られているのに嬉しそうだなんて
私の旦那は本当に変わりものだ
『しょうがないので、今回は許してあげます』
私も甘いもので、彼の事となるとすぐに許してしまう。顔をみてしまえば怒る気も失せてしまうのだから
ふと、彼が背中に背負っている銀色に目がいった
『綺麗な髪…その子は?』
彼の背負っているものは血に汚れた幼い少年
美しい銀の髪がとても印象的だった
松「今日から私達の家族になる子です
朧、君の弟弟子ですよ」
弟弟子、という言葉を聞いて朧が頬を染める
楽しみにしていましたものね
『ふふ、そっか、私はAといいます。これからよろしくね』
背中から降ろされた少年に手を差し出すと、彼は戸惑いながらも何処か嬉しそうに私の手を握った
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??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!泣ける(?)かは分かりませんが、世界観しんどいです。頑張ります。 (2020年3月9日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - (´;Д;`)おお・・・最新話泣ける(?) (2020年3月6日 17時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月8日 17時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
七重 - たまたまこの小説見たけど、めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月8日 15時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
??黒雪??kuroyuki(プロフ) - いえいえ!読んでいただいてありがとうございます!同士がいてくれると嬉しいです! (2020年1月26日 20時) (レス) id: a822d14485 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*雪之丞*yukinojyo | 作成日時:2019年6月16日 22時