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百十三 ページ26

一期「遥殿!!」




目の前で急に体が傾いた遥殿を、なんとか受け止める。

何度呼びかけても反応はない。

私の腕の中でぐったりしている。




一期「(何が起きた?風邪か?病か?)」




どれだけ揺らしてもビクともしない遥殿を見て、嫌でも思い出す。

自分が助けられなかった、かつての主を。

どわっと汗が吹き出す。




一期「遥殿!遥殿!!」
「一期!どうした!」
一期「つ、鶴丸、殿…」
鶴丸「一体何が……っ!!」




私の声を聞いて駆けつけたであろう鶴丸殿は、私の腕の中の遥殿を見て、顔を真っ青にした。

彼なりに、かつての主を思い出したのだろう。




鶴丸「誰か!来てくれ!一大事だ!!」









パニック状態になった本丸は、奏殿の山姥切殿が来てくれてとりあえず収まった。

奏殿もともに来てくれて、今は診察し終わった山姥切殿に私と鶴丸殿と鬼神丸殿で話を聞いている。




山姥切「鬼神丸国重。今までこのようなことはあったか」
鬼神丸「いや…知らん…」




今にも倒れそうな鬼神丸殿に、山姥切殿が自身の隣にあった水を差し出した。




山姥切「そんな状態では話せない。お前は他の奴らと一緒に待っていろ。落ち着いたら教えてやる」
鬼神丸「!」
山姥切「患者は増やしたくない」
鬼神丸「…すまない」




フラフラと出ていくのを見届け、山姥切殿は口を開いた。

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作者名:桜海 | 作成日時:2018年10月13日 8時

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