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百五 ページ18
電話を切り、ぐーっと伸びると、体のあちらこちらから骨のなる音がした。
遥「あぁー…温泉入ってこよう」
今日はいつもより真剣に話したからか、どっと疲れた。
風呂に入る準備をして部屋を出ると、部屋の前に鬼神丸が壁に背を預けながら立っていた。
遥「鬼神丸？」
名前を呼ぶと、鬼神丸は真っ直ぐアタシの傍によってきて、
遥「っわ」
頭をクシャッと撫でた。
遥「ちょ、な、何」
鬼神丸「…お前は」
遥「？」
鬼神丸「強く、なったな」
遥「！」
鬼神丸「本当に強くなった」
そう言ってアタシの髪を乱す鬼神丸は、どこか泣きそうな顔をしていた。
遥「…そう。強くなった」
鬼神丸「…あぁ」
遥「…強くなったんだよ」
鬼神丸「…あぁ」
遥「だから…泣くなよ」
鬼神丸「っ…泣いてない」
遥「ははっ、なんで国重が泣くのさ」
鬼神丸「だから泣いてないと言っているだろう」
遥「うける」
鬼神丸「っ…もう知らん」
遥「あっ」
何故泣きそうだったかは知らないけど。
アイツなりに、喜んでくれたのかな？
アタシの、拳ではなく、言葉で伝えれるようになったという成長を。
遥「…ありがとう」
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作者名：桜海 | 作成日時：2018年10月13日 8時
