一時閉鎖なかぶき町 ページ35
予想通り、症状が出た患者のほとんどはかぶき町に出入りしていた人間で、少なからずアルコールを摂取していることが分かった。
また、かぶき町の他にも歓楽街で類似した事例が頻発していたため、件の薬とアルコールの結びつきが発覚ししばらく酒類を提供する店、そして患者が来店した風俗店は休業を要請された。
が、おいそれと閉める訳にもいかない。どのくらい閉めたらいいのか、閉めたにしてもこちらも生活があるんだと訴えると、支援金を出すとの通達が来た。
『スナックお登勢』のような少数精鋭の店があれば、『高天原』や『すまいる』のような大人数の従業員を抱える店もある。それによって大きく変わるだろうと、細かいところまで指定しなければ気が済まない経営者たちは、毎日奉行所に行ってはどうなんだと膝を詰めて話し合いをしたらしい。
最終的に、要請期間は2週間。その間は従業員の人数を多く分けて支給するとのことだった。
だが、それによく思わない人間もいた。言わずもがな、働かずに金を手に入れたい万事屋銀ちゃん店主である。
「なんでババアにゃ金が入って俺らには入らねーんだよ。俺らにも金来ねぇかなー」
「仕方ないでしょう、酒類を提供するお店とか症状が出た人がいたお店ってあったんですから」
「銀ちゃん、私もおカネ欲しいアル」
「あーあ、俺らも酒出しときゃ良かったかな。万事屋銀ちゃんネオみたいな」
「何その売れないスナックみたいな名前。絶対お客さん来ませんよ」
「客なんざ今も来てねーだろうが。
おーいババア、ポテサラおかわりィ」
「テメーは自重ってモンを覚えな!! お前らのために作り置きしたんじゃないよ!!!」
『スナックお登勢』のカウンターで昼飯を食らう万事屋に怒鳴るお登勢。暖簾はしまっているが、そんなこと知らんとばかりに引き戸を開けて空の瓶を投げつけられた。
今日も今日とて依頼がない万事屋は金がなく、ババアメシくれと遠慮もクソもない厚顔無恥な一同に今さら何も言うことは無い。
予め炊いていた白米と味噌汁、ポテトサラダを出してやるとなかなか好評だった。濃い味付けが好みな神楽や料理を作ることが多い新八は美味しいと箸を止めることはなかった。銀時は最初から無言で食べ続けていたため、気に入ったことに違いないだろう。
「いやぁしっかしうめぇな。どうやったらこれこうなるんだ」
「そいつはAが作ったもんだ。帰ってきたら礼言いな」
「あれ? そういえばいませんね」
「今出てんのさ」
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時