日の出前のヒャッコク ページ11
【A視点】
「ん……ふぅん……あさぁ?」
目を開けても、まだ部屋は暗かった。
「えーっと……五時前かぁ……」
五時前ってこんなに暗かったっけなぁ?
日の出はまだ先だから、これくらいなのか。
まだ少し眠気が残る身体を起こして、伸びをする。
一息ついて、下を覗いてみると、彼の身体のラインに沿って盛り上がった布団が見えた。
まだ彼は夢の中らしい。
彼を起こさないように、静かに階段を下りる。
いつぞやのように踏み外して大惨事にならないように、焦らず、ゆっくり。
まずはベランダに出てみる。
街もまだ明かりが少なく、ほとんどの家は薄い灰色に染まっている。
空は澄んでいて、雨の気配はない。
空気は肌寒く、完全に目を覚まさせてくれた。
「……さて、そろそろ準備しようかなっ!」
こっそりポニーテールにして、台所に向かう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「よし! これで、帰ってきたときには……!!」
散らばった強力粉を台拭きで払って、台上をきれいにする。
30分くらい時間を使っちゃったから、ほかの準備を急いでやらないと!
いいタイミング逃しちゃうからね!
一度ポニーテールを解き、いつもの服とは違う、Tシャツにハーフパンツという、体操着のような服装に着替える。動きやすい服装がいいからね。
歯磨きとトイレ、その他もろもろの準備も高速で済ませて、只今5時28分……。
予定より遅いけれど、まだこの時刻なら問題ない。
扉に向かう途中で流れるようにバッグを肩にかけ、扉の前まで来て一旦振り返る。
「いってきますね、アラン」
盛り上がった布団に向けて小さく声をかけ、部屋を出た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日時計の前。昨日みたいな発光はなく、薄暗い。
だから周りに誰もいない。それを狙って私はこの時間に来た。
私がここに来た本当の理由は、次のトライポカロンでの演技の練習。
昨日の特訓で、バトントワリングをやろうと決めたからその練習。
一応、ダンスは得意な方だと自負している。
だけど今回選んだ曲に合わせると、なかなか難しそう。
それプラス、バトントワリングだから、その分いっぱい練習しないとなって。
近くのベンチにバッグとホロキャスターを置く。
右手には、さっきバトルフィールドに寄ったときに拾った、手ごろな木の棒。
ホロキャスターに保存しておいた音楽データを再生して、十分なスペースがある位置に移動する。
「1,2,3,4……1,2,3,4……」
音楽に合わせてステップを踏む。
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頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます!続編にまたぐ感じで、アランの計画が露見していきます!お楽しみに! (2016年10月16日 12時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
夢代ツバキ - 頂志桜(サム)さん» アラン、何する気なのかな?まさか、ピアノだったり・・・?ドキドキが止まんないです。頑張ってください (2016年10月16日 11時) (レス) id: 39392b36ad (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ユーさん» ありがとうございます!優しいというか、過保護というか……。そんなところを気に入ってもらえると嬉しいです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
ユー - アラン、優しい!続き、楽しみです! (2016年10月14日 15時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 夢代ツバキさん» ありがとうございます! 寝てる最中にそんなことされてるとは、本人は知らないんですよね〜。本当はちゃんとそこらへんも掘り下げたかったんですけれど、何しろ話数がきついので……。 (2016年10月13日 21時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頂志桜 | 作成日時:2016年9月30日 18時