小学生の思い出は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】

Ｎｏ.６６　組体操 ページ19

運動会は代表リレーだけじゃない。

私たち、６年生が出場する競技は、全員リレー・騎馬戦・組体操。

他にも色々とあるけれど、主に３つ。

今日からは、組体操練習が始まった。

組体操は、５年生も一緒にやるんだ。

私たち６年生は、一年前に組体操を経験している。

だから、今年初めて組体操をする５年生に技を教えてあげたり、手伝ってあげたりしないといけないんだ。

ちなみに、私は割と上に乗るタイプ。

低くも高くもない普通の身長だけど、２人技や、３人技は上に乗る。

でも、だんだんと人数が多くなってくると、真ん中で支える役目になる。

今年の私の役目はなんだろう？


そして２人技のペア決めが始まった。

私は上に乗ることに決まった。

相手は紫苑だった。


「よろしくね、紫苑。」

「うん、よろしく。彩！」


紫苑とペア、やったぁ！

そしてペア決めも終了。

試しに技をやってみることに。

まずは肩車。

私は足を広げ、紫苑が私を持ち上げやすいようにした。

そして紫苑が頭を通し、膝を抑える。

私は柔らかく、紫苑の頭に触れる。

紫苑が立ち、２人で決めポーズ！

私たちは成功した。


「やったね！」

「うん！」

２人で喜んでいると、隣の方から大きな音がした。


「痛っ！！」

どうやら技が失敗したみたいだ。

上に乗っていた子は、危機一髪で近くにいた子が頭などをぶつけないように守ってくれたそう。


突如、上に乗っていた子が、持ち上げる子に激怒っ！

「ちょっとしっかり持ち上げてよ！死ぬかと思ったじゃん！っていうか５年の時、一回やったことあるでしょ？たしかに一年も経ってるから感覚が思い出せないのは私もだけどさぁ、落とすのはさすがになくない！？」

持ち上げる子は、いきなり怒られてかなり驚いている。

「ご、ごめんね。落とす気はなかったんだけど、足が震えちゃって・・・・」

「ちゃんと持ち上げてよ！さっき、頭から落ちて死んでたかもしれないのに！足が震えたからって言い訳しないで！」

たしかに、組体操は命がけといっても過言ではない。

上に乗る子は、落ちることが不安で仕方ないのはよくわかる。

けど、そんなに怒らなくても・・・

「ごめんね・・・」

持ち上げる子は、そんなつもりじゃなかったのに激怒されて、悲しい気持ちになったのだろう。

ポロポロと涙をこぼし始めた。

上に乗っていた子も、言葉が出ないよう。

そこに先生が来て、あのペアは一旦休ませることにしたらしい。

大丈夫かな・・・・？

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