第353話🦇担任なりの感謝 ページ18
*ラッダァ side*
ミラが元に戻りみんなが安堵する中、力無く
「ん…ラッダァ、せんせ……？」
「お、ちゃーんと戻ってるな？ 良かった良かった」
混乱しているのかボーッとしていたミラだったが、自分の両手を目にしてサアッと顔を青ざめさせた。
「何、これ…血……？ なんで…あ、ラッダァ先生…アタシ、怪我…させて……!?」
あー……記憶残っちゃってるパターンかぁ。どうしたもんか……。
「ご、ごめんなさいッ…アタシ、こんな…こんなことしたかったわけじゃ……！」
「大丈夫、わかってるから。それに、俺いっつも
「でも、でもッ……！！」
うーん、これは相当ショックが大きそうだな……こんなに戸惑ってるミラ、初めて見たわ。
なんとかして落ち着かせなければと模索していると、不意に背中をバシッ！！と思いっきり叩かれた。
「
突然の暴力に抗議しようとした矢先、背中の怪我が治っていることに気付く。
あ……さっきの一瞬で、家系能力で治してくれたのか。
にしたって、もう少し優しくしてくれてもいいのに……優しいのか厳しいのかよくわかんねー悪魔だなぁ。
なんてことを考えながら自分の背中を
「状況が状況ゆえに、致し方ないと目を瞑ったが……やはり、キサマのやり方は危うすぎる。その程度で済んで幸運だったな」
「へいへい、ご忠告ありがとうございますー」
たくッ、もうちょっと何かあってもいいんじゃないの？ 必死で教え子助けてやったのにさぁ。
ま、別にこの教師に期待とかしてねぇけど＿＿＿。
「―――感謝する、ラッダァ先生」
「ッ……！」
俺のほうを見ぬまま微かにそう呟いたブルシェンコ先生に、俺はただ黙って苦笑を浮かべるのだった。
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
