【魔主役】鏡使いの悪魔学校生活:VOL.8【魔入間】 (ページ17)

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第352話🦇決死のお注射ページ17

*ラッダァ side*

「スージー先生ッ！！ミラの動きを封じてください！！一瞬でいいんで！！」

「ふいっ！お任せを！」

俺の呼びかけに応え、スージー先生は植物を操りミラを押さえつけた。

しかし、すぐさま鏡の刃で切り裂かれる。これまでにもこうやって植物の拘束を破ってきたから、予想済みだ。

そして……拘束を解いた後の一瞬に、隙が生まれるってこともわかってんだよなぁ!?

植物拘束を解いて攻撃態勢に入る僅(わず)かな隙を突き、俺は彼女にガバッと掴みかかった。

「おっしゃ捕まえた！！！」

「ッ!? ラッ、ダァ゛…セン゛、セ……!?」

驚いたように目を見開く彼女を見据え、冷や汗を流しつつも口角を上げる。

「さーて……注射の時間だ、この悪ガキ」

手に持っていた注射器を彼女の首筋に突き刺し、中に入っていた薬をしっかりと注入してやった。

「ヴア゛ッ……!?!?」

悶(もだ)え暴れ始めた彼女は、俺の背中に腕を回して容赦無く爪をたててくる。

「痛(い)ででででででッ！！よ、よーしよーし。大丈夫だ、怖くないぞー」

鋭い爪が突き刺さって鈍く痛む背中を意地でガン無視し、俺はミラをなだめるためその体を抱き締めてやる。

緊急事態だしな、セクハラにはならないよな。……だ、大丈夫だよな？？←

なんてふざけたことを考えてでもいないと、痛みでどうにかなってしまいそうだった。

でも、ダメだ…ミラが元に戻るまで、俺が力尽きるわけには……！

「だい……じょうぶ、大丈夫。俺が付いてる」

「ヴ…ヴゥ……」

次第に呻(うめ)き声が小さくなっていき、俺の背中をぶっ刺している手からも力が抜けてきたのを感じる。

それから完全にミラは動きを止め、黒々とした蛇のような尻尾も綺麗に消え去っていた。

これは…元に戻った、のか……？

彼女から先ほどまでのおぞましい殺気を一切感じなくなり、俺は一気に気が抜けて深々と息を吐くのだった。