第354話🦇嵐の後 ページ19
*ミラ side*
「さて……シュピーゲルよ」
目の前まで来たブルシェンコ先生に呼びかけられ、アタシはビクッと肩を震わせる。
「せん、せ…ごめん、なさい……。アタシ…2人に怪我させて、他の先生たちにも…迷惑かけて……」
怪しい薬のせいとはいえ、あれだけ派手に暴れてしまったのだ。今回ばかりは、どんな処罰でも受ける覚悟だった。
しかしブルシェンコ先生は、アタシを怒ること無く……優しく、アタシの頭にその手を置いた。
「え……」
思いがけない対応をされて目を見開くアタシを見つめ、ブルシェンコ先生はふっと微笑む。
「無事で……本当に、良かった」
「ッ……!!!」
そのひどく優しい言葉を、アタシは素直に受け止められなくて。
「なんで……なんで、怒らんのや。先生、言ってたやん。間違ったことをした生徒を
「……あのな、シュピーゲル。
―――そんな顔で謝る生徒を
「ッ……!! うッ、あああ゛ッ……!!!」
ずっとずっと我慢していたはずの涙が、
「ごめんなさいッ、ごめんな゛ざい゛ッ……!!」
「よーしよーし、ちゃんと謝れてエラいぞ〜」
泣きじゃくるアタシに優しく笑いかけ、わしゃわしゃと頭を撫で回してくるラッダァ先生。
その光景を優しい顔で見守っていたブルシェンコ先生だったが、ふと何かに気付いたように顔を上げた。
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年9月11日 21時