検索窓
今日:15 hit、昨日:37 hit、合計:38,541 hit

第354話🦇嵐の後 ページ19

*ミラ side*

「さて……シュピーゲルよ」

目の前まで来たブルシェンコ先生に呼びかけられ、アタシはビクッと肩を震わせる。

「せん、せ…ごめん、なさい……。アタシ…2人に怪我させて、他の先生たちにも…迷惑かけて……」

怪しい薬のせいとはいえ、あれだけ派手に暴れてしまったのだ。今回ばかりは、どんな処罰でも受ける覚悟だった。

しかしブルシェンコ先生は、アタシを怒ること無く……優しく、アタシの頭にその手を置いた。

「え……」

思いがけない対応をされて目を見開くアタシを見つめ、ブルシェンコ先生はふっと微笑む。


「無事で……本当に、良かった」


「ッ……!!!」

そのひどく優しい言葉を、アタシは素直に受け止められなくて。

「なんで……なんで、怒らんのや。先生、言ってたやん。間違ったことをした生徒を(しか)るのが、教師の務めやって。なら、ちゃんと怒ってや。だってアタシ、あんなひどいことッ……!!」

「……あのな、シュピーゲル。



―――そんな顔で謝る生徒を(しか)るほど、私は鬼じゃないんだ」



「ッ……!! うッ、あああ゛ッ……!!!」

ずっとずっと我慢していたはずの涙が、(せき)を切ったようにあふれ出してしまう。

「ごめんなさいッ、ごめんな゛ざい゛ッ……!!」

「よーしよーし、ちゃんと謝れてエラいぞ〜」

泣きじゃくるアタシに優しく笑いかけ、わしゃわしゃと頭を撫で回してくるラッダァ先生。

その光景を優しい顔で見守っていたブルシェンコ先生だったが、ふと何かに気付いたように顔を上げた。

第355話🦇変わらぬ仲間→←第353話🦇担任なりの感謝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年9月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。